訪問看護師のまおつんです。
ブラックな職場を見分ける方法ってありますか?
令和3年度の調査では、日本に約13,000の訪問看護ステーションが存在しています。
ステーションの数は年々増加しており、高齢化社会が進むにつれて今後さらに増加すると予測されます。
残念なことに一定の割合でブラックな職場が存在しています。
私もいくつか訪問看護ステーションの転職を経験しています。
この記事を読んで私の経験が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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ブラックな訪問看護ステーションの特徴
ブラックな職場への入職はできるだけ避けたいものです。
ただでさえ訪問看護のお仕事は身体的・精神的ともに負担の大きい仕事なので、ブラックな職場で働いてしまうと心も体もボロボロになってしまいます。
さっそくブラックステーションの特徴をひとつずつ紹介していきます。
1、有給が取得できない
有給は従業員の権利ですが、意外とこれを知っている人は少ないです。
もともとブラックな職場に慣れている看護師は
「職場に迷惑をかけるから」
「患者さんが困るから」
とういう理由で、有給休暇を取ることに罪悪感を感じている人もいるようです。
訪問看護ステーションはどこの職場でも基本的に人手が足りていないので、誰かが有給を取ることで他の人に業務のしわ寄せがいくので、罪悪感が沸く気持ちも分かります。
しかし、有給休暇は法律で守られた従業員の権利ですし、そもそもの人手不足は経営者の責任なので、有給休暇を取得できない職場はブラックである可能性が高いです。
2、みなし残業がある
求人に『みなし残業あり』と書かれているところはブラックステーションの可能性が高いです。
みなし残業は、もともと一般企業の営業職や管理職などに採用されることが多い給与体系です。
外回りの多い営業マンは勤務時間が正しく管理できないため、基本給にプラスして予め決められた額を支給する仕組みです。
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通常のみなし残業であれば、労働時間が規定よりも短かろうが長くなろうが決まった給料だけが支給されます。
訪問看護ステーションでも『みなし残業』が採用されている事があり、実態は長時間の労働でもあるにも関わらずみなし残業代分しか支給されず、サービス残業が多い職場である可能性があります。
訪問看護ステーションでは、家に帰ってから看護記録や日報などを作成せざるを得ないケースもあります。
また、研修や個人の目標管理のために、『宿題』と題して自宅に仕事を持ち帰らされる場合もあります。
もちろん、研修であっても業務のうちなので、本来は残業代は支払われるべきです。
これが当たり前と思い込み持ち帰って仕事をしている人も多いようですが、サービス残業だと認められれば違法性が高くなり確実にブラックとなります。
本来は違法残業なので断るべきですが、「それは出来ません!」ときっぱり言える人は少なく泣き寝入りになっているのが実態です。
3、職場の人間関係が悪い
訪問看護ステーションには、リハビリスタッフ、ケアマネージャー、医者、事務員など様々な医療関係者が勤務しています。
ブラックなステーションは看護師とリハビリスタッフの仲が非常に悪く、陰でお互いの悪口を言い合うことがあります。
お互い専門職でありながらも担当する業務が違うため、相手の業務をけなしたり足を引っ張ったりする職場があり、この場合はかなりブラックに近いといえます。
本来は患者さんのために助け合う立場にありますが、これが出来ない職場では働いている人にとっても、何より患者さんにとっても良い事はありません。
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職場の人間関係は看護師とリハビリスタッフだけではなく、看護師同士も仲が悪いという場合もあります。
人間関係は実際に働いてみないと分からないことも多いので、「職場ガチャ」に近い感覚です。
特に厄介なのが、職場に『お局様』がいるパターンです。
若手や新人への悪口や嫌がらせをするなど、迷惑極まりない存在ですが、お局様がたったひとりいるだけでブラックな職場になるケースがあります。
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4、無理なスケジュールを組まされる
訪問看護師が1日に訪問する件数の目安は、午前に1~2件、午後は2~3件くらいで、多くても1日5件くらいが妥当です。
午前:1~2件
午後:2~3件
1件あたりの訪問時間(利用時間)は30分単位が多いので、移動時間も含めるとだいたいこれくらいの件数に落ち着きます。
しかし、業務の量の割には人手が足りなくて看護師に無理をさせているステーションもあり、1日あたり8件程度の予定を組まされる場合もあるようです。
訪問看護ステーションは利用者が多いほど儲かるようになっているので、このように患者さんの事を考えずに看護師に無理をさせて利益だけを重視する職場は確実にブラックといえます。
もちろん看護師としては、患者さんに気持ちよく訪問看護を利用してもらいたいですし、ひとり一人に向き合ったサービスを提供したいと考えています。
しかし、無理なスケジュールを組まれると精神的な余裕がなくなり、患者さんの事を考える事も出来なくなるのでなんとしてでも避けたい職場である事は間違いありません。
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5、患者さんの利用を終了させない
訪問看護ステーションは患者さんの利用料金によって経営が成り立っています。
利益を出すためには患者さんに出来るだけ長く利用してもらう必要がありますが、患者さんの都合ではなくステーションの都合で利用期間を引き延ばそうとさせる職場はかなりブラックです。
実はこういう考え方や方針で運営しているブラックステーションはかなり多いと聞きます。
患者さんに安心して訪問看護を利用してもらう事が目的ではなく、自分達の利益のために何かと理由を付けて利用期間を延長させようとしているステーションはブラック度が高い職場です。
ブラックな職場は、訪問看護ステーションに限らず一般企業でもかなり存在しています。
可哀そうなことに、新卒で入社した職場で「こんなの○○は世間では当たり前だよ」などと先輩や上司から言われて、自分がブラックな職場で働いていることすら気付かないままの人もいます。
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ブラックな職場を見分ける方法
次にどうやってブラックな職場を見分ければ良いのかの方法を解説します。
1、とにかく求人情報をよく見る
看護師が就職を考えるときに検討するために、求人情報が主な情報源となります。
この求人情報にどのようなことが書かれているかでブラックかどうかをある程度見分けることができます。
・アットホームな職場と書かれている
・業務内容が不明確もしくは横文字で書かれている
給料が相場よりも高いことがなぜブラックに関連するのかについてですが、そのひとつの理由に、新しい人が入職してもブラックがゆえにすぐに辞めてしまい、給料を高くしないと人材を確保できないからというのが理由です。
もちろん給料は低いよりも高い方が良いのですが、相場よりも高い求人には注意しましょう。
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また、これは医療業界だけではなく様々な業界で言われている事ですが、「アットホームな職場」というキーワードには注意しましょう。
アットホームな職場は
「職場の雰囲気が良いですよ!」
というアピールしています。
しかし、この表現はかなり抽象的な表現ですし具体的に何がどう良いのかが分かりません。
他にアピールポイントが無いから仕方なく書いたとも思える内容ですので、ブラックである可能性が高いといえます。
さらに、業務内容が不明確であったり、やたら横文字を使っている求人情報にも注意が必要です。
訪問看護ステーションの求人なのに、全く関係のなさそうな言葉を使った社名であったり、横文字を多く使っている会社名は注意が必要です。
訪問看護にあまり関係ない業務をやってもらう前提で募集している可能性があるので、訪問看護だけを集中してやりたいという人にとってはおすすめできません。
2、ホームページを確認する
訪問看護ステーションの職場の雰囲気を少しでも知るためにホームページは必ず確認しましょう。
職場の外観や事業内容はもちろんですが、ホームページを確認するときに私が重要視しているのは、以下の点です。
・コラムやブログに何が書かれているか
・直感を大切に
お医者さんや管理者は訪問ステーションの重要な顔ともいえます。
多くのステーションでは顔写真付きでお医者さんやスタッフの紹介をしていますが、中には代表者の名前だけ書かれていて顔が見えないということもあります。
もちろん、顔写真が載ってないからブラックだと決めつけるわけではありません。
しかし、ホームページには利用を検討している患者さんや仕事を探している求職者も訪れるので、働いている人の顔写真があるとかなり安心感があります。
また、ホームページには職場の情報などをコラム形式で公開しているステーションもあり、これはかなり貴重な情報源です。
どんな人がどんな情報を発信しているのかなど、文章や写真などから生の雰囲気を感じれる場合があるので判断材料としてはかなり良いです。
ホームページを見た時に感じる直感も大事です。
写真に写っている職員の表情や記載してある内容から伝わる情報は、職場の雰囲気を如実に表しているかも知れません。
自分が実際に働く場所になるので「この職場で働けるかな」「この人とうまくやっていけるかな」と直感で感じた気持ちも大事にしましょう。
3、面接で感じ取る
職場がブラックかどうかは面接で感じ取ることもできます。
面接を受ける側からしたら、質問にうまく返せるかどうか不安になり緊張もします。
しかし、面接は必ずしも採用側である訪問看護ステーションが私たち求職者を見ているだけではなく、私たちもステーションの事をよく見る事ができる貴重な機会です。
訪問看護師のまおつんです。相談者訪問看護への入職を考えています。面接ではどんなことを言えば良いですか?訪問看護の需要は年々拡大しています。つねに人手不足なので面接に行けば採用されると思っている人も多いと思[…]
求人情報やホームページに書かれていた事は本当かどうかを質問したり、面接時した職員の表情や対応から得られる情報はかなり多いです。
看護師はどこも人手不足のため、こちらも「職場をよく見てるぞ」という気持ちで臨むくらいでちょうど良いと私は考えています。
看護師は転職がしやすい職種と言われており、私も実際にいくつかの訪問看護ステーションに転職を経験し、今の職場に落ち着きました。
今の職場に少しでもブラックだなと感じたら、転職も検討した方が良いかも知れません。
実は「ブラック企業」の定義は曖昧
ブラックという言葉は訪問看護ステーションだけではなく、もともとは従業員に過酷な労働を強いる一般企業から生まれた言葉といわれています。
とはいえブラック企業にも様々な種類があり、実ははっきりと定義はされていません。
違法残業やサービス残業など労働基準法に違反しているケースをブラック企業と呼ぶこともあれば、違法スレスレだけど限りなくブラックに近い企業を指す場合もあります。
ただ、厚生労働省もブラック企業についてQ&Aでコメントしており、
② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
という要件に当てはまる企業をブラック企業と呼んでいるようです。
近年ではブラック企業がニュースなどで取り上げられるくらいに市民権を獲得しているので、多くの人に認知されることでブラック企業を排除し、改善していこうという動きもある事は良い傾向だといえます。
訪問看護師のまおつんです。 相談者訪問看護に入職を考えていますが仕事はキツいですか? 「訪問看護の仕事はキツい!」って聞いたことありませんか?今回は訪問看護ステーションに入職[…]
ホワイトステーションも存在しない⁉
「ブラックステーションがあるのなら、逆にホワイトステーションもあるの?」
と思うかも知れませんが、ホワイトステーションというのは存在しません。
一般的にホワイトな職場というのは、サービス残業がなかったり、福利厚生がしっかりしてるイメージがあると思います。
しかし、サービス残業がないことも、法定福利厚生があることも、法律で決まっていることはできて当たり前です。
「残業代がしっかり出るからホワイトだ!」
「雇用保険に入れるからホワイトだ!」
という話をしている人をたまに見かけますが、あって当然なことをホワイトだと思ってしまうのは注意が必要です。
過度な『やりがい』がブラックな環境を生む⁉
看護師はマジメで一生懸命な人が多いです。
「患者さんのために頑張ります!」
「わたしがやらないと周りに迷惑を掛けるから…」
など、使命感と責任感のかたまりで成り立っています。
もちろん、一生懸命であることは良いことです。
しかし、自己犠牲をしすぎて自分を消耗してしまうのは悲しいことです。
仕事での『やりがい』は豊かに生きるために必要なことですが、度が過ぎると職場でブラックな環境を生みやすくなる原因にもなるので注意しましょう。
自分は一生懸命頑張ってきたことを後輩にも無理に押し付けたりすると、自覚はなくてもブラックな職場を自ら作っていることになります。
まとめ
訪問看護師のまおつんです。相談者現在、病棟で勤務している看護師です。訪問看護に入職したいのですが、おススメのサイトはどこですか?今回は訪問看護に転職したい人に向けて、おススメの転職サイトを10社について徹底比[…]