人間関係に悩む看護師は訪問看護ステーションに転職すべきか?

訪問看護師のまおつんです。

相談者
職場の人間関係に悩んでいます。訪問看護ってどうですか?

看護師の職場って本当に人間関係の悩みが多い職場だと思います。

看護師にまだまだ女性が多いということもそうですが、コミュニティが狭いのである程度はしょうがないと思います。

せっかく国家試験に受かってやっと看護師になれたのに、職場ガチャを外してしまうと人生が終わるくらいの絶望感を味わいます。

 

そういうみなさんの悩みを解決したいので、病院勤務と訪問看護の人間関係の違いを比較して、どちらに就職&転職したら良いのかを解説します。

訪問看護の転職に関しては、無料で利用できる転職サイトを利用してみると良いでしょう。

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看護師が辞める理由に「人間関係」が多い

日本中のどこの職場でも本当に人間関係の悩みが尽きません。

看護師の現場においても同じで、先輩や上司とうまくいかないという悩みを持った看護師はかなり多いはずです。

 

転職サービス「エン・ジャパン」のアンケート調査によると、職場の人間関係で難しさを感じた事がある人の割合は8割以上という結果になっています。

「エン・ジャパン」アンケート結果から引用

 

また、『誰との人間関係が最も深刻な問題であるか』という質問の答えについても興味深い結果となっており、1位が先輩、2位が同僚、そして3位が上司となっています。

「エン・ジャパン」アンケート結果から引用

 

これらの調査結果から分かるように、仕事が楽しくなるかどうかは、職場の先輩や上司との人間関係が深く関わっているのは間違いなさそうです。

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その一方で、看護師は職場のチームワークが最も重要視され、これを怠ると重大なインシデントに発展する可能性もあるので疎かにできないのが現実です。

そのため、嫌いな先輩や上司であっても最低限のコミュニケーションを取る必要があり、これがストレスの原因となっています。

この環境に耐えきれずに、悩んだ末に辞めてしてしまうケースがなんと多いことでしょうか。

 

逆に、訪問看護の場合は病院勤務ほどガチガチのチームワークはありませんが、それでも報告や申し送りで同僚と話をすることはたくさんあります。

訪問看護に入職を考えている看護師にとっては、ステーションでどんな人が働いているかが一番興味があるのではないでしょうか。

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病棟勤務と訪問看護の人間関係の違い

わたしは病棟で勤務したあと、訪問看護に転職しているので、両方の職場の違いについてはよく理解していると思っています。

病棟勤務と訪問看護の人間関係においては以下のような違いがあります。

【病棟勤務の人間関係】
・チームで仕事を行う
・困ったら助けてくれる
・報連相が特に重要
・委員会活動がある
【訪問看護の人間関係】
・個人が訪問して行う
・臨機応変に対応する
・適宜、報連相を行う
・委員会活動はない

これらの違いについて一つずつ確認していきましょう。

 

チーム or 個人プレー

病棟勤務では基本的にチームワークが重要視されます。

他の看護師やお医者さんとの連携をしながら仕事を進めていくのが基本スタイルです。

嫌いな先輩や上司ともうまくやっていけないと仕事そのものがうまくいきません。

 

その一方で、訪問看護は看護師ひとりで患者さん宅を訪問してケアすることになります。

患者さんひとりに対して数名の看護師が日替わりでケアに行くイメージです。

訪問看護は個人プレーが多いといわれています。

 

困ったときの対応

病棟で困った時には先輩や上司が優しい(?)アドバイスをしてくれます。

嫌いな先輩であればアドバイスというより、

「こんなことも出来ないの?」

「看護学校でなにを勉強してきたの?」

とネチネチと嫌味を言われる場合もあり、こういう人の存在が看護師にとっては最大のストレスの原因になります。

その後で優しい先輩に優しく慰めてくれたりすると涙がでます。

 

訪問看護ステーションには先輩や上司もいますが、訪問しているあいだはひとりなので先輩のサポートもない代わりにその場で嫌味を言われることもありません。

もちろん、適当な仕事をすると後で文句を言われることもありますが。

 

困った時に助けを求められるか、ひとりで臨機応変に対応するかどうかが大きな違いです。

 

 

報連相の頻度

病院と訪問看護での報連相の頻度についてはあまり違いはないといえます。

訪問看護は個人プレーと言われますが、患者さんのアセスメントや業務連絡は頻繁に行います。

 

病院ではカルテや連絡ノートなどで情報共有をしますし、訪問看護でもLINEグループなどで常に報連相を行っています。

ただ、訪問看護の方がやや少ないイメージがありますが、スマホを通して文章などで連絡をすることが多いため、

 

委員会活動

委員会活動は看護師にとって大きな悩みのタネです。

活動そのものよりも同僚や先輩と協力してすすめることになるためです。

良くも悪くも周りとの関係が密になるため、苦手な人との委員会活動はストレスフルです。

 

訪問看護ではこのような委員会活動はないので、病院よりもビジネスライクな関係を保つことができます。

人によって合う合わないがあると思うので、入職を考えているときは十分に検討しましょう。

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職場の人間関係が悪くなる理由

訪問看護ステーションは病院よりも人間関係のトラブルが少ないと思います。

しかし、ステーションによっては職場の雰囲気が悪いケースもあり、その理由としては以下のようなものがあります。

1、看護師のシフト調整が難しい
2、閉鎖的でウワサ話や悪口が蔓延する
3、家庭環境や生活水準などを他人と比較しがち

 

1、看護師のシフト調整が難しい

訪問看護ステーションで働いている看護師のなかには、子育て真っ最中の主婦も多く働いています。

そのため、特に子供の学校行事や家庭の事情によってシフトの希望は様々です。

 

管理者はシフトを調整するのも業務ですが、これが至難を極める作業だそうです。

土日、祝日は子供のために休みたい看護師も多いため、シフトの穴を埋めるのが非常に難しくなります。

逆をいえば、土日も働ける看護師はステーションでかなり重宝されます。

 

ただ、訪問看護ステーションの看護師の中には、

「○○さんは専業主婦で子供もいないのに、シフトに融通してくれない。」

「△△さんは正社員なのに、オンコールの当番をしてくれない。」

など、看護師同士の不平不満が出る職場も珍しくありません。

 

お子さんが手のかからないくらい大きい場合や、土日のスケジュールに多少余裕がある人は、半日だけでもシフトに入れると職場からの評価も上がります。

また、土日のシフトに入ると手当てがもらえる場合もあるので、頑なに拒むのではなく前向きに検討してみるのもありかも知れません。

日本は「働き方改革」を推進しているので、全員がもう少し余裕を持って調整が出来るようになると良いですね。

 

2、閉鎖的でウワサ話や悪口が蔓延する

看護師は女性が多いので、ウワサ話や悪口が好きな人が多い傾向があります。

ステーションには専属のお医者さんや看護師などが常駐している場合もあり、プライベートな情報はすぐに流れます。

 

例えば、

「○○さんは彼氏が出来たらしい」

「△△さんは◇◇先生(お医者さん)の事が好きらしい」

など、ほんの些細な情報でも他の看護師から間接的に聞かされることがあります。

 

根も葉もないウワサ話なら聞き流せばいいだけですが、悪口となるとそうはいきません。

なぜなら、悪口を聞かされる方はいい気持ちになりませんし、一番厄介なのは悪口に対しての反応のしかたによっては自分もその仲間とみなされる大きなリスクもあるためです。

このようなケースは自分にとって損でしかありませんが、回避することも難しいのが難点です。

訪問のために職場から一歩出てしまえばそういったことも少なくなりますが、事務所にいる時間が長い勤務形態だと厳しいかも知れません。

 

ウワサ好きな人とは出来るだけ物理的な距離を置くことが重要です。

訪問看護は患者さん宅へ訪問するというメインの業務があるので、外へ出る機会が多ければそういったトラブルに巻き込まれる可能性も下げる事が出来ます。

 

3、家庭環境や生活水準などを他人と比較しがち

訪問看護ステーションのように女性が多い職場では、家庭環境や生活水準などを他人と比較しがちです。

『どんな地域に住んでいるか』

『どんなブランドを身に付けているか』

『夫の収入はどれくらいか』

など、相手を見下したりマウントを取ってくる人が一定数は必ずいます。

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決して悪い人ではないのに、話しているとなぜかモヤモヤしてしまうという人はどの職場にもいると思います。

また、自分の思い通りにならない事を理由に、あからさまに機嫌が悪くなる人もおり、職場の雰囲気を一気に壊す人もいます。

まおつん
閉鎖的な空間であればあるほど、人間関係はギスギスしやすくなりますね。

 

みんな同じ悩みを抱えているのに…

先ほどのアンケートのように、多くの人が職場の人間関係で悩んでいるということは、あなたの身近にも同じ悩みを抱えている人がいるでしょう。

人間関係は『鏡』に例えられることが多いです。

つまり、「○○さんが苦手」というあなたの感情を持つと、相手も同じ感情を持つ可能性が高いという事です。

これは、相手と同じしぐさをすると相手から好感が持たれるという『ミラーリング効果』の逆パターンともいえる状況です。

 

みんな同じ悩みを抱えているのに、だれもこの問題を解決できないのはなぜでしょうか?

これには見えない大きな力が働いているように私は思えます。

 

そもそも人間は今の環境が変わる事を嫌う生き物です。

たとえば、職場の環境を変えようと頑張っている人に対しては「煙たい人」と冷めた目で見たりする習性があります。

みな、これを本能で感じているのか、自分が行動を起こしたら周りから冷たい目で見られるのではという恐怖心を持ちます。

結果として「そんなリスクを侵すくらいなら我慢した方がマシ」という結論に落ち着いている気がします。

 

しかし、職場の人間関係を改善するために、自分にもできることはあると思っています。

なにも職場に対して大きな提案をしましょうと言っているのではなく、目先の問題に対して自分を少しアップデートするくらいの気持ちで臨むのが良いでしょう。

 

今日からできる人間関係の改善方法

訪問看護ステーションの人間関係の改善方法について紹介します。

1、職場の人は患者さんと同じように接する
2、自分ことの話さず徹底的に聞き役に徹する
3、「誰のために働くのか」「何のために働くのか」自分の軸を持つ
4、「あの人なんか変わっている」と言わせる
5、苦手の人とは物理的な距離を置く

 

1、職場の人は患者さんと同じように接する

職場の先輩や上司の中でも特に苦手な人や気の合わない人に対しては、患者さんと接するような気持ちで付き合うのがちょうど良いと思います。

多少、コミュニケーションがうまくいかなくても、患者さんと同じように丁寧に接してあげる気持ちの余裕を持ちましょう。。

 

決して相手を下に見てるわけでもバカにしているわけでもありません。

こちらが大人になって接してあげないと上手くコミュニケーションが取れない人なんだと割り切って考えるメンタルが必要です。

 

2、自分のことは話さず徹底的に聞き役に徹する

「本当の話し上手は聴き上手」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

本当に話が上手な人というのは、面白い話をする人ではなく相手の話をじっくりと聴き、共感してあげられる人という意味です。

自分の話はできるだけせず、とにかく聴くだけに集中しておけば良いでしょう。

 

自分のことを職場の人に話すと変に広まる可能性もあるので、他人の話を聞くだけにしておいた方が無難です。

訪問看護ステーションのような閉鎖的な空間では、家庭の事情や生活環境はすぐにウワサされてしまいます。

 

「○○に住んでいます。」

「子供が◇人いて□年生です。」

「旦那の職業は△△です。」

など、自分のプライベートの話を他人に話す事は極力控えましょう。

 

もし、質問をされたときは「事務所から1時間くらいですよ~」「子供はいますよ~」「旦那は普通の会社員ですよ~」などと当たり障りない返事をし、すかさず「○○さんはどうですか~?」という質問返しします。

自分の情報は小出しにしておいて、相手に気持ちよく話してもらえば相手との関係もそこそこ維持は出来ると思います。

家庭環境や子供の事情などでシフトに都合を付けてもらう時には、事情を説明しておく必要がありますが、この時は信頼できる上司や同僚だけにしておくのが賢明です。

 

3、「誰のために働くのか」「何のために働くのか」自分の軸を持つ

看護師として一番のやりがいは、患者さんから「ありがとう」と言われる事ではないでしょうか。

お医者さんの玉の輿にのるのが人生の目標にしている人は別ですが、ひとりでも多くの患者さんを救うために看護師を目指してきたと思います。

 

一度、自分の原点に立ち返って「誰のために働くのか、何のために働くのか」の軸をしっかり持つようにしましょう。

同僚や上司など周りから好かれるために仕事をしているわけではないはずです。

自分の芯がブレなければ、同僚や先輩のくだらない人間関係のいざこざに悩まなくなり、心の余裕にもつながります。

心の余裕がある人の方が仕事でも高いパフォーマンスが出せますし、逆に周りからは一目置かれる存在となります。

 

決して玉の輿にのることを否定しているわけではありません。

しかし、人生の大きな目標があれば、人間関係の悩みなんてどうでも良いと思えるのではないでしょうか。

 

4、「あの人なんか変わっている」と言わせる

これは少しリスクが高い方法かも知れませんが、周りから「あの人なんか変わってる」と言われる事です。

『変な人』と思われてしまえば、面倒な人間関係に巻き込まれることもなくなりますし、何より自分自身が素のままでいられるメリットが大きいです。

例えば、毎週日曜日は教会に行ってお祈りしているだとか、プライベートで派手な格好をしてみるとか、嘘でも良いので変わっている人を目指すのもありかも知れません。

そんな人は当然周りからウワサの対象になりますが、誰が何と言おうと全く気にしなくて大丈夫です。

 

5、苦手の人とは物理的な距離を置く

職場の人間関係を改善するもうひとつの方法としては、苦手な人と物理的な距離を置く事です。

 

幸いにも訪問看護の看護師は、患者さん宅に訪問している時は基本ひとりなので苦手な先輩と会話する事はありません。

もし、体力的に余裕があれば出来るだけ訪問看護の回数を増やしてもらい、事務所にいる時間を減らしましょう。

最近では連絡や申し送りもLINEのグループチャットで行う事も多いので、直接会って会話する機会も少なくなっています。

そういったコミュニケーションツールを使って苦手な人との適切な距離を取るのがおすすめです。

 

職場の人間関係で悩んでいる人の中には、苦手な人とのコミュニケーションにおいて「自分が頑張って仲良くならないと!」と無理して仲良くなろうと努力してしまう人がいるようです。

私は自分に無理を強いる方法はおすすめしていません。

「無理な人は無理」と割り切りも大事だという事を覚えておきましょう。

 

まおつん
自分ができることから少しづつ取り組んでみてくださいね。

 

まとめ「それでもダメなら諦めてさっさと転職する」

これまで解説してきたように、看護師にとって職場の人間関係は深刻な悩みです。

どんな職場にも必ず一人や二人は苦手な人はいると思います。

 

今回は病院と訪問看護の人間関係について解説しましたが、本当にダメだと思った時は我慢せずにさっさと転職してしまいましょう。

実際に私自身も過去には人間関係が上手くいかずにいくつか転職をしました。

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幸い医療業界はどこも人手不足なので、看護師が仕事に困る事はありませんし、資格があればすぐに次の職場が決まることも多いです。

無理して自分をすり減らすより思い切って次に進んだ方が幸せな人生を歩めると思いますよ。

まおつん
看護師の皆さんを応援しています。無理をせずに転職も視野に入れましょう。