訪問看護師はこれだけは知らないとヤバい、必須スキルと知識

訪問看護師のまおつんです。

相談者
訪問看護師になりたいのですが、これだけは知っておいた方が良いスキルや知識ってありますか?
今回はこのような質問に答えていきたいと思います。
訪問看護は年々需要が拡大しており、今後もこの傾向が加速していくと予想しています。
現在、看護師として病院で勤務して訪問看護に興味がある方や、これから訪問看護に勤務予定の方にはぜひ知っておいて欲しいスキルと知識を集めました。
また、訪問看護に興味がある方は、転職サイトをまとめた記事も合わせてご覧ください。
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訪問看護師は最低限これだけは出来て欲しい

訪問看護を始める時に。これだけは出来るようになっておいて欲しいスキルを紹介します。

【訪問看護師の必須スキル】
1、バイタルチェック
2、摘便、浣腸

3、膀胱留置カテーテルの交換
4、点滴の挿入
5、清潔ケア全般
6、患者さんや家族の話を「聴く」
これらは、資格を持っている看護師が、さらに訪問看護師として追加で最低限必要になってくる知識です。

 

1、バイタルチェック

バイタルチェックは看護師の基本中の基本のスキルですね。
これは訪問看護師でなくても、病院に勤務している看護師であれば何百回と行う作業です。
ただ、訪問看護師の場合はバイタルセットを患者さんの自宅に持参してチェックを行うので、患者さんの自宅となると家族などの目もあり緊張してうまく出来ないというケースがあるようです。
実際に私自身もそうでした。
病院では数百回行っていても、環境が変わると出来なくなるんですよね。

 

なので、どんな環境であっても冷静にバイタルチェックが出来るようになっておきたいものです。
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2、摘便・浣腸

訪問看護を利用する多くの患者さんは、ご家族の支援を得ながらも自立した生活を送っている人が多いです。
ただ、患者さんの中には摘便や浣腸が必要な方も一定数はいるので、訪問看護師のサポートが必要です。
もちろん、知っておいて欲しい大事なスキルです。
特に寝たきりで筋力が弱っている患者さんには、排便のサポートをすることが多くなります。
摘便・排便は患者さんの自尊心を傷つけないようにしなければならないので、メンタル的にも注意が必要な業務です。

 

3、膀胱留置カテーテル

訪問看護の患者さんは膀胱留置カテーテルを使用している方が多いので、カテーテルの交換は出来るようになりましょう。
カテーテルの交換は、尿道を損傷させたり尿路感染のリスクがありとても慎重に行う作業なので、それなりの経験が必要です。
訪問看護ではいざという時に助けてくれる先輩も上司もいません。
その場で対応しなければいけない事も多いので、中途半端なままだと他の人や管理者にも迷惑を掛ける事になります。
できれば新人のうちに先輩からたくさん経験させてもらうと良いでしょう。

 

4、点滴の挿入

訪問看護の患者さんが点滴を使用しているケースはそこまで多くありませんが、それでも数カ月に1回は確実に行う作業です。

自力で食事が摂れない患者さんは、脱水予防のために点滴をしている人もいます。

 

点滴は毎回あるわけではないので、たまに行う時に緊張して出来なくなります。

病院に勤務している方は完璧に出来るようになっておくとかなり楽に作業ができると思います。

はじめて患者さんの家で行うケアはとても緊張するので、特に点滴などの作業は慣れておいた方が良いでしょう。

 

5、清潔ケア全般

訪問看護は患者さんの入浴介助やリハビリなども行います。

病院のようにオムツやパットなどの看護物資が無限にあるような状況ではないので、時にはありものを利用したり自分で持参したものを使用します。

家を汚したりしないように気を使ったり、家族にもアドバイスしたり気を使う場面も多いので、これらの清潔ケアは必ず出来るようにしておきましょう。

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また、訪問看護の時は基本的に一人なので誰かのサポートもありません。

ご家族がいらっしゃればサポートしてくれるかも知れませんが、ご負担を考えるとあてには出来ません。

体の不自由な患者さんを起こしたり、移動させたりするのも一人で介助するので、病棟勤務よりも体力的にしんどい場合も多いことを覚えておきましょう。

 

6、患者さんや家族の話を「聴く

個人的にはこれが一番難しいスキルだと思っています。

仕事柄、看護師は「説明」をする機会が多いですが、一方で患者さんや家族の話をじっくり「聴く」べき場面もあります。
意外と話を聴くのが苦手という看護師が多いです。
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「きく」という言葉にも2種類あり、「聞く」と「聴く」があります。
「聴く」には相手の話に共感したり、理解を示すなど実はかなり難しいスキルだと言われており、きちんと出来ている人は少ないです。
なかには自分の話だけをする看護師もいるようですが、時にはじっくり相手の話を聴いてあげる心の余裕も必要です。
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訪問看護師は合わせて知っておきたい

看護師を目指している学生さんは、国家試験に向けて必死に勉強をしていると思います。
将来的に訪問看護をしたいのであれば、試験対策だけではなく、ぜひ合わせて知っておいて欲しい知識もあるのでここで紹介します。
【訪問看護師の必須知識】
1、褥瘡(じょくそう)経過の知識
2、薬剤の知識
3、専門用語を使わない分かりやすい説明

これらは訪問看護師になるときには必要な知識ですのでひとつずつ解説していきます。

 

1、褥瘡(じょくそう)経過の知識

褥瘡(じょくそう)とは、寝たきりの患者さんの体の血流が悪くなり皮膚が赤くなったり腫れたりする状態をいいます。

一般的には「床ずれ」とも呼ばれていますね。

訪問看護師は患者さんをよく観察し、褥瘡がある患者さんには必要な処置をする必要があります。

 

処置内容は、ケアプランとお医者さんからの指示書で決まりますが、患者さんのリアルな様子を逐一観察できるのは現場の看護師です。

全てをお医者さんや他人任せにせず、処置に必要な知識を予め勉強しておくとあとで非常に役に立ちますよ。

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2、薬剤の知識

訪問看護師は患者さんの服薬管理も重要な仕事です。

患者さんが服用する薬についての最低限の知識についても押さえて学習しておくと役に立ちます。

特に家族の方からは市販薬について質問をされることも多く、ここで曖昧な返答は出来ません。

 

患者さんは基本的に処方されたお薬しか飲んでいけない事になっています。

しかし、ご家族が市販されているものを買ってきて患者さんに飲ませているケースも時々見かけます。

勝手に飲まれる薬に関しては看護師の責任ではありませんが、

「なぜダメなのか」

「どういうリスクがあるのか」

くらいは簡単に説明できるようにしておくと、患者さんやご家族からもっと信頼される看護師になります。

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3、専門用語を使わない分かりやすい説明

「聴く」と同じくらい重要なのが「分かりやすく説明する」ための知識です。
例えば「褥瘡」に関しては患者さんに説明する時には「床ずれ」という言葉を使って分かりやすく説明します。
誰にでも分かるように説明するためには、難しい言葉を簡単な言葉に置き換えるために色々な言葉を知っておかなければいけません。
医療業界で使われる専門用語を患者さんに分かりやすくするために、『国立研究所』がレポートを書いています。
169ページの超大作ですが、専門用語ごとに事例がまとめられていて非常に役立ちます。

 

ただでさえ医療業界で使う言葉には専門用語や横文字や略語も多い業界なので、一般の方にとっては理解不能な言葉ばかりです。
難しい言葉を使って「私って頭が良い」と自己満足に浸るよりも、患者さんのためにひとつずつ言葉を選んで説明できるようにしましょう。
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まとめ

訪問看護師が知っておいて欲しいスキルや知識について解説しました。
最後にもう一度まとめておきます。
【訪問看護師の必須知識&スキル】
1、バイタルチェック
2、摘便、浣腸

3、膀胱留置カテーテルの交換
4、点滴の挿入
5、清潔ケア全般
6、患者さんや家族の話を「聴く」
【訪問看護師が合わせて知っておきたい】
1、褥瘡(じょくそう)経過の知識
2、薬剤や被覆剤の知識
3、専門用語を使わない分かりやすい説明

私は将来的に訪問看護師がもっと増えれば良いと思っています。

そのために訪問看護についてもっと知ってもらい、少しでも興味を持ってもらえれば幸いです。
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まおつん
看護師を目指している学生さんや、現在病院で働いている看護師は、訪問看護への入職をぜひ検討してみてくださいね。