『働かないおじさん』ならぬ、『働かない看護師』とは?

訪問看護師のまおつんです。

相談者
『働かないおじさん問題』って何ですか?
私の訪問看護ステーションにも働かない人がいて、いつもイライラしてしまいます。

職場で働かない人っていますよね。

自分は一生懸命頑張っているのに、その一方で高い給料もらいながら働かない人を見ると本当にイライラします。

最近はニュースなどで、このような人を『働かないおじさん』と呼んでいて、様々な議論がされています。

そういう人が職場にひとりいるだけで全体のモチベーションが下がるので、頑張っている人からしたら本当に納得がいかない問題です。

今回はそんな『働かないおじさん問題』を取り上げて『働かない看護師』についても一度冷静になってみて考えたいと思います。

 

このブログでは訪問看護のリアルな仕事について情報を発信しています。もし興味があれば関連記事もご覧ください。

関連記事

訪問看護師のまおつんです。 相談者訪問看護に入職を考えていますが仕事はキツいですか? 「訪問看護の仕事はキツい!」って聞いたことありませんか?今回は訪問看護ステーションに入職[…]

『働かないおじさん問題』とは

働かないおじさん問題とは、文字の通り会社に通い、給料をもらっていながら、パフォーマンスが低く仕事をしないといわれているおじさんのことを取り上げた問題のことです。

一般的には40代以上で働く意欲が少ない、または仕事を全然しない会社員のことを指す場合が多いです。

 

働かないおじさんがいることで起こること

職場に働かないおじさんがいることで、頑張っている若手社員が「こんなに頑張っているのに不公平だ」だと感じたり、「働かないのに年齢が上というだけで高い給料をもらって納得がいかない」などという不平不満をいう事態になっています。

確かに、みんな同じ職場で働いているのに、仕事量と給料で不公平があるのは納得がいきません。

これでは若手の社員が「頑張っても報われない」と思うのは仕方がないことかも知れません。

 

働かないおじさんについてSNSの反応は?

最近はSNSでの情報交換が主流になっているので、働かないおじさんに関してこのような書き込みがありました。

働かないおじさんについてはTwitterで様々な書き込みがありますが、ネガティブな意見もある一方で、働かないおじさんに冷静な意見も多くありました。

働かないおじさんは昔から存在していたけど、SNSの流行によって表面化したというのが本当のところではないかと思っています。

 

働かないおじさんは淘汰されている

近年は、大企業を中心に45歳以上の社員をリストラする動きもあります。

日本は年功序列で給料が決まっている場合が多いので、若い時には給料が低く、年齢が上がると自動的に高くなるのが一般的です。

45歳以上になると仕事の成果に比べて給料が高くなるので、会社にとっては人件費の負担が大きくなるのがこの制度のデメリットです。

 

このため、45歳以上の会社員に対して、退職金を積み増しして希望退職を募る会社が増えています。

【希望退職の例】
・近鉄グループホールディングス、45歳以上の管理職が対象
・ホンダ、55~59歳の社員が対象、約2,000名の応募
・パナソニック、対象年齢や人数は非公開、約1,000名の応募
・味の素、50歳以上の管理職、約800名が対象 など

特に2020年の新型コロナウイルスの世界的な流行によって、会社の業績が思うように伸びなくなったことから、働かないおじさんを早期退職させる会社が増えてきました。

さらには、業績がそこまで悪くないのに、早期退職を募っている会社があるのも事実です。

 

会社からすれば、働かないおじさんをリストラして、若くても優秀な社員に高い給料を払いたいと思うのは自然なので、そういう会社の意思の表れだと感じます。

ネット上では「年功序列の崩壊だ!」や「成果主義にしよう!」などの意見もあります。

まおつん
昔は年齢が上がると給料が上がるのが普通でしたが、コロナの影響もあってか社会全体が大きく変わろうとしているように思います。

『働かない看護師』とは

看護師経験が長い私は働かないおじさん、ならぬ『働かない看護師』をたくさん見てきました。
基本的なことができない看護師や、仕事の要領が悪い看護師もたくさんいますが、私が思う働かない看護師とは「苦手な仕事から逃げる看護師」だと思っています。
病棟勤務が長い看護師は、配属される科によって実務の内容が大きく違うため、そもそも得意不得意の差が出やすい職業です。
しかし、訪問看護においては看護全般のスキルと知識が求められます。
関連記事

訪問看護師のまおつんです。相談者訪問看護師になりたいのですが、これだけは知っておいた方が良いスキルや知識ってありますか?今回はこのような質問に答えていきたいと思います。訪問看護は年々需要が拡大しており、今後も[…]

働かない看護師は、尿道カテーテルや点滴の挿入など難易度の高いケアがある患者さんの訪問を振られそうになると、「あの患者さんは○○さんに来て欲しいと言っていたので…」などと何かと理由をつけて、自分の苦手な仕事を誰かに押し付けようとします。
露骨な例だと、入浴介助など体力的には大変な仕事がある日をわざと避けてシフト希望を出す訪問看護師もいます。
大変そうな仕事は誰かにやってもらって、服薬管理やバイタルチェックだけの患者さんばかり担当している訪問看護師は『働かない看護師』と私は呼んでいます。
まおつん
大変なケアでも、患者さんが求めている以上、誰かがやらなくてはならない仕事です。
苦手な仕事を避けてばかりいる看護師は『働かない看護師』と呼んでいいでしょう。

働かないおじさんは本当に問題?

働かないおじさんは割とどこの組織にもいると思います。

私もいち看護師として、働かない人を見ると非常に強いストレスを感じます。

その一方でこのブログでは、ただの愚痴を言うだけにならないように、働かないおじさん問題について冷静を観察してみることにします。

関連記事

訪問看護師のまおつんです。相談者訪問看護師をしていますが、関わってはいけない人ってどんな人ですか?特徴などがあれば教えてください。訪問看護師は人と関わる事が多い職業です。自分とウマが合う人や合わない人[…]

 

働かないおじさんのメリット
周りの士気を低下させる働かないおじさんがいることのメリットについて考えてみると以下のようなものがあります。
【働かないおじさんのメリット】
・反面教師にして自分の仕事に全うできる
・極端な成果主義になりにくい
・職場での評価を高める
働かないおじさんを見ると、「自分はこうはならないようにしよう」と思えるようになります。
働かないおじさんを悪い例として、自分はやるべきことをしっかりやろうと考えることが出来るようになります。
他人は他人、自分は自分と受け入れて働けるようになります。
そもそも、看護師は患者さんの幸せのために働いて給料をもらう仕事です。
働かない人を気にしすぎるあまり、自分の仕事に支障が出てしまってはプロ失格ですし、良い成果は何も生まれません。
また、働かないおじさんが存在しているという事は、私たちの社会全体が安定しているとも理解できます。
その理由は、もし日本が完全な成果主義になったら、仕事で失敗したらすぐクビになったり、給料が減らされてしまうからです。
一般企業に勤める私の知り合いから聞いた話だと、実際にアメリカでは成果主義を採用している会社が多く、仕事が出来ない社員をすぐクビにするそうです。
日本の働かないおじさんは真っ先にクビ宣告されるでしょうけど、裏を返せば日本社会が安定しているということかも知れません。
若いうちは給料が低いけど、ずっと頑張っていれば少しずつ給料は上がり、いつかは報われると思えるのはある意味では良い社会といえそうです。
日本がアメリカのような極端な成果主義にならなくて済んでいると考えると、日本は今のままで良いと考える人が多いような気がします。
さらに、働かないおじさんがいる一方で、職場には優秀な人もたくさんいます。
働かないおじさんの職場での評価は低いと思うので、相対的に見れば普通に頑張ってさえいればそこそこ評価してくれるかも知れません。
働かない人が嫌がる仕事をあなたが積極的に引き受ければ、それだけで職場の評価は確実に上がると思います。
管理者からすると「○○さんは全然仕事してくれないけど、△△さん(あなた)は頑張ってくれている」と比較して評価するのは当然のことです。
このように、働かないおじさんをうまく使って自分の職場での評価を高めることも出来るかも知れません。
働かないおじさんがどうしても嫌なら…

それでも職場の働かないおじさんのせいで自分にしわ寄せがきて大変だったり、不公平感に納得が出来ないという人もいると思います。

そういう場合には、自分で訪問看護ステーションを立ち上げてて自分で稼ぐ方法を探すか、バリバリの成果主義の会社に転職するしか方法はありません。

少し極端な例ですが、働かないおじさんによって職場のバランスが保たれていると考えれば少しは気持ちが楽になるかも知れません。

 

また、働かないおじさんが職場にいるということは、まだ会社には余裕があるということがいえると思います。
働かないおじさんに対して早期退職の募集をしている会社は、資金的な余裕が無くなってきているか、まだ余裕はあるけれど成果主義に転換しようとしている会社かのどちらかかも知れません。
一歩間違えば自分も『働かない○○』になる
働かないおじさんを擁護していると思われるかも知れませんが、私自身も働かない人が職場にいるとイライラします。
不公平だなと感じたりすることももちろんあります。
ただ、正直なことを言うと、自分が40代とか50代になったときに「働かないおじさん(おばさん)」と呼ばれないとは私自身も言い切れません。
若い人のほうが新しい技術を知っている事もありますし、そもそも体力的な面では絶対敵いません。
今はまだ働かないおじさんを批判することができますが、自分もいつかはその歳になります。
そうなった時に、自信をもって「自分は大丈夫!」と言える人はどのくらいいるでしょうか。
まおつん
働かないおじさんを批判するのもいいですが、いつかは自分がそう言われるかも知れないという覚悟が必要ですね。

まとめ

今回は『働かないおじさん問題』について訪問看護師の私が解説しました。

どこにいっても働かない○○さんは存在すると思います。

感情だけでこういった人を見てしまうとイライラして仕事も上手くいきませんが、こういう人とうまく付き合っていく事で自分にとってプラスに帰る事もできます。

また、いつ自分が『働かないおじさん(おばさん)』と呼ばれるかは分からないので、いま批判的な目を向けるのは慎重にしたほうが良さそうです。

まおつん
今回は自分の感情を押し殺して、冷静に『働かないおじさん』について分析しました。
訪問看護師の仕事に興味がある方は関連記事もご覧ください。
関連記事

訪問看護師のまおつんです。相談者現在、病棟で勤務している看護師です。訪問看護に入職したいのですが、おススメのサイトはどこですか?今回は訪問看護に転職したい人に向けて、おススメの転職サイトを9社について徹底比較[…]