訪問看護師のまおつんです。
この記事を書いているのは4月なので、多くの新人看護師が社会の門を叩いている頃だと思います。
新人看護師は右も左も分からないことだらけです。
そんな中、今回は新人訪問看護師がやりがちなミスとその対処法について解説します。
少しでもミスを無くして1日でも早く一人前になれるように応援しているので、ぜひ参考にしてください。
新人訪問看護師がやりがちなミス4選
新人訪問看護師は分からない事が多くて当たり前です。
いくら学校で実習を通じて勉強してきたからといって、職場の独自ルールや雰囲気に慣れるためにはそれなりの時間は掛かります。
「看護学校で何を勉強してきたの!?」という厳しい先輩看護師もいますが、今回はそういう人はおいといて、出来るだけミスを減らして怒られる回数は少なくなる方法を解説します。
新人訪問看護師がやりがちなミスとして以下のようなものがあります。
1、報・連・相ができていない
2、患者さんに失礼な言葉づかいを使ってしまう
3、分からない事を先輩に聞けない
4、人の話を最後まで聴けない
1、報・連・相ができていない
看護師は何よりチームワークが重要です。
個人個人のスキルはもちろんですが、看護師同士だけではなく医者やケアマネージャーともうまく連携する事で、患者さんへ最適なサービスが提供できるようになります。
特に訪問看護師がやりがちなミスとしては「報・連・相」ができていないことです。
2、患者さんに失礼な言葉づかいを使ってしまう
訪問看護師は、患者さんとの距離が近くなると「お薬の飲もうね~」や「体温計るね~」などのようにタメ口で話すことの方が多くなります。
タメ口を上手に使いこなす事で患者さんとのコミュニケーションが出来るようになりますが、新人訪問看護師がいきなりタメ口を使うのはリスクが多すぎます。
訪問看護を利用する多くの患者さんは看護師よりも年上の場合がほとんどです。
患者さんは病気であったり障害があることは多いですが、ひとりの人間としてのプライドはあり、年下から失礼な言葉づかいを言われるとムッとする事もあることを理解しましょう。
3、分からない事を先輩に聞けない
新人看護師は分からない事ばかりなのは当然ですが、分からない事を先輩や上司に確認せずに自分の判断で行ってしまう新人は割と多いです。
「先輩に迷惑を掛けたくない」「自分ひとりでも出来るところを見せたい」という気持ちが働くようですが、学校の実習で習った事はあくまでも基礎なので実際の現場とは異なる事があります。
訪問看護の場合は研修中に先輩と同行して経験を積みますが、研修期間が終わった後はひとりで患者さんの家に訪問してその場に応じた対応を迫られる事がほとんどです。
4、人の話を最後まで聞けない
失敗の対処方法
新人訪問看護師がやりがちなミスについて理解したところで、これらのミスをどうやって防ぐかも解説します。
どんな小さなことでも報告を忘れずに
このブログで何度も言っているように看護師の仕事はコミュニケーションで成り立っています。
「訪問看護はひとりで訪問するから人間関係を気にしなくても良い」と思われる方もいますが、ひとりの患者さんが関わるのはあなただけではなく、別の訪問看護師やケアマネージャーも訪問します。
「この看護師は○○と言っていたのに、別の看護師に△△と言われた」などのクレームが入る事が時々あります。
そのため新人訪問看護師はどんな小さなことでも先輩や上司に報告するようにしましょう。
報告すると「そんな事いちいち言わなくても良いよ」と言われる事もあるかも知れませんが、小さなことを報告することで何か起きた時に自分の責任を免れることも出来ます。
患者さんにタメ口は基本的にNG
患者さんにはタメ口はNGと覚えておきましょう。
多くの場合は看護師よりも患者さんの方が年上ですし、患者さんはお金を払ってサービスを利用する側であることを考えると丁寧に接するのは当然の事です。
ベテランの看護師がタメ口を使ったりするのは、患者さんと十分な信頼関係が出来ている上でのことなので、新人看護師がいきなりタメ口を使うのはリスクが高いので控えましょう。
新人は分からなくて当たり前
新人看護師は資格を取得しているとはいえ、現場では先輩に頼らざるを得ません。
つまり分からない事があって当たり前なのです。
先輩もその事は十分理解しているので指導には十分気を使ってくれますが、あなたが理解しているかどうか確認しない時もあるので、分からないことは素直に「分かりません」という方が良いです。
分かっているフリというのが一番怖いもので、そのままの状態で間違った事をして問題になると責任を取るのは先輩のほうです。
分からない事を聞くのは先輩のためでもあることを理解しておきましょう。
コミュニケーションとはまずは相手を受け入れること
コミュニケーションは相手の発言や態度から、その人の考えや価値観を理解することが第一歩です。
そのためにその人の言っていることを良く聞くことがまず重要です。
自分の話をしたいばっかりで人の話を最後まで聞けない人が看護師の中には意外と多く、そういう人は結構煙たがれます。
自覚がなかったとしても一度自分自身の行動や言動を振り返ってみましょう。
先輩看護師が指導で気を付けるべき点
この記事を読んでいただいている人の中には、新人訪問看護師の指導に当たっている人もいるかと思います。
先輩看護師は、新人訪問看護師がやりがちなミスについて理解した上で、正しく指導してあげる事も重要な仕事です。
新人訪問看護師が上記のようなミスをした場合、または、失敗するのを事前に防ぐためにどのような事に注意して指導すれば良いのかを解説します。
報告してもらった事に対して素っ気ない返答をしない
自分が忙しい時に後輩からどうでもいい小さな事を報告されると、素っ気ない態度になってしまう事は良くあることです。
しかし、後輩も気を使って自分に話しかけてくれている事を忘れないようにしましょう。
本当に忙しくて手が離せない時でも「悪いけど後にしてもらえるかな?」と言うなどして、大人の余裕を見せる事が重要です。
後輩から「こんな素敵な先輩になりたい」と思ってもらえるようなお手本になりたいですよね。
新人訪問看護師はあなたの背中を見ている
あなたは先輩として、まだ経験の浅い新人訪問看護師が間違った事をしないかを注意して見ていると思いますが、実はそれ以上に新人看護師もあなたの事をよく見ています。
適当な事を言っていたり責任感がない行動というのは、あなたの行動や言動でかなりバレています。
自分の新人だった頃を思い出せば、そういう風に先輩の事を見ていた事を思い出すことができるでしょう。
先輩はお手本でもありますが、反面教師として後輩からはいつも見られているという意識を持つことが大事です。
自分も新人の頃があった
いまやあなたは多くの後輩の指導を行う先輩看護師かも知れませんが、あなた自身も新人だった頃はあります。
その時に感じていた事は、おそらく今の新人看護師も感じているはずです。
長く看護師をやっているとその頃の感覚はすっかり忘れてしまいますが、新人看護師は多くの疑問や違和感を感じています。
その疑問に対しても真摯に答えてあげるのが先輩の役割でもあるので、聞かれた事は責任を持って答える覚悟が必要です。
自分が時代を牽引していると自覚する
今でも新人看護師に対して冷たい態度を取ったり、時には挨拶を無視したりする職場や先輩看護師も実在しています。
「この業界はこれが普通だから」「自分もこのような扱いを受けた」と後輩に対して同じことを繰り返すのはもうあなたの世代で止めましょう。
時代は日々刻々と変わっていますし、新人看護師に対して必要以上に厳しい指導をしたり挨拶を無視する事で職場の業務効率は改善しません。
もちろん人の命を扱っている職種だからこその厳しさは絶対に必要ですが、過度に厳しい指導はむしろ逆効果です。
まとめ
今回は新人看護師がやりがちなミスとその対処法について解説しました。
また、あなたが先輩であるならばどのように後輩に接するべきかについても解説しました。
看護業界は長い間、昔のままの考え方や体制を引きずっている業界です。
しかし、時代は変わり個人の価値観も変わっているので、それに合わせてサービスの内容や看護師自身も少しずつ変化しなくてはなりませんが、その素質を一番持っているのは新人看護師です。
これから訪問看護師を目指している人は、まずは今回紹介したようなミスをしないように注意して、早く職場に慣れてもらえればと思います。
また、自分自身がこれからの看護業界を担っていると自負して働いてもらえれば幸いです。