訪問看護師のまおつんです。
でもどうやってコミュニケーション能力を上げたらいいか分かりません。
訪問看護師はコミュニケーションがとても重要なお仕事です。
患者さんやご家族はもちろん、職場の先輩・後輩とも常にコミュニケーションを取りながら仕事をしています。
今回は、訪問看護師のための最高のコミュニケーション戦略について解説していきます。
このブログでは訪問看護のリアルな仕事について情報を発信しています。もし興味があれば関連記事もご覧ください。
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訪問看護師がコミュニケーション能力を磨くための戦略
訪問看護師が提供するケアは、患者さんの自宅がメインなので、患者さんとのコミュニケーションが非常に重要とされています。
患者さんとのコミュニケーションが円滑であれば、適切な治療計画を立てることができ、また、患者さんの状況に合わせた心のケアも提供することができます。
では、訪問看護師が高いコミュニケーション能力を磨くための戦略とはどんなものでしょうか。
ひとつずつ詳しく解説していきます。
1、訪問看護師が必要とするコミュニケーション能力とは?
訪問看護師にとって、コミュニケーション能力はとても重要なスキルです。
訪問看護師は、患者さんの状態や健康状態を正確に把握し、必要な治療やケアを行うことが求められます。
また、患者や家族と信頼関係を築き、共同で最適な治療プランを立てることも重要となっています。
コミュニケーション能力には具体的に以下の項目に分類することができます。
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聴く力
相手の話を遮らずに、最後まで聴くことができる人って意外と少ないんです。
患者さんやご家族が抱える問題や悩みを理解するために、聴く力がとても重要です。
相手の話をじっくり聴き、共感し、必要に応じて質問をすることがコミュニケーションにおいて大切です。
説明力
訪問看護師は、患者さんやご家族に治療やケアの内容をわかりやすく説明する必要があります。
また、質問に対して正確に答える能力も問われます。
こういう状況下において、患者さんやご家族が理解しやすい言葉を使い、必要な情報を提供することがとっても重要です。
エンパシー(共感力)
エンパシー(共感力)は、仕事中だけではなく、プライベートでも重要な能力といえます。
プロの訪問看護師としては、患者さんやご家族の立場に立って、共感し理解する能力のことです。
患者さんやご家族が抱える感情や不安を正しく理解し、それに寄り添うということです。
これが非常に難しいスキルと言われており、本を読んだり体験談などを聞くだけではなかなか身につきません。
可能であれば実践しながら学んでいくと良いでしょう。
表現力
表現力は、訪問看護師が患者さんやご家族に正確かつ的確な情報を伝える能力のことです。
場所や時で適切な言葉を選び、正確に伝えることがコミュニケーション能力といえます。
正しい言葉遣いをしていれば大丈夫ということでもないのが表現力の難しいところでもあります。
柔軟性
患者さんやご家族によって、コミュニケーションの方法やスタイルは異なります。
訪問看護師は、これらの状況を把握し柔軟に対応したり、生活スタイルなどに合わせたコミュニケーションを取る能力が必要です。
「柔軟性がある」ということの反対の言葉が「融通の利かない」です。
お店や役所で「融通が利かないな~」と思ったことは誰にでもあると思います。
自分のサービスの質を向上させるためには、柔軟性を持ち臨機応変に対応することが必要です。
2、訪問看護師にとって重要なコミュニケーション能力向上のポイント
患者さんやご家族との信頼関係を築くことができれば、患者さんにとって一番良い最適な治療やケアを行うことができます。
そのため、可能な限りコミュニケーション能力の向上に努めてほしいと願っています。
以下は、訪問看護師がコミュニケーション能力を向上させるためのポイントについて解説します。
研修や勉強会に参加する
訪問看護師は、コミュニケーション能力を向上させるために、研修や勉強会に積極的に参加するようにしましょう。
働いている職場で実施している研修会はもちろん、外部で行われる研修会があれば積極的に参加させてもらってください。
外部の研修は、内容そのものに学びはありますし、他のステーションから参加している看護師との交流もできます。
いつでも最新の情報を仕入れておくことで、より質の高いケアを提供することができます。
フィードバックを受ける
上司や同僚からのフィードバックを受けることで、自分のコミュニケーション能力を客観的に評価することができます。
時にはフィードバックの内容に納得がいかないときもあるかも知れませんが、良くも悪くも第3者からの率直な意見は非常に役に立ちます。
こういうときは「わたしは間違っていない」と頑固にならず、素直に受け入れるようにするのがポイントです。
フィードバックを受けたら、次からは改善点を意識して取り組むようにしましょう。
モチベーションを維持する
訪問看護師は、日々の忙しさやストレスからモチベーションが下がることがしょっちゅうあります。
年数や経験が積み重なっていくと、入職したてのときの初心の気持ちが忘れていくものです。
自分の仕事が社会的にとっても重要な役割があることだと意識し、ポジティブな気持ちで仕事に取り組むようにしましょう。
患者や家族に合わせたコミュニケーションを取る
患者さんやご家族によって、コミュニケーションの方法や生活スタイルは異なります。
訪問看護師は、その場に合わせたコミュニケーションを取ることが求められています。
相手の気持ちや状況に配慮し、柔軟に対応するようにしましょう。
自己研鑽する
訪問看護師は、自分自身で学び、研鑽することが必要です。
読書やオンライン学習などを通じて、自分のスキルや知識を向上させることが大切です。
また、自分自身の感情や行動にも気を配り、常に改善する努力をするようにしましょう。
3、コミュニケーション能力を高めるために必要なトレーニング方法
訪問看護師がコミュニケーション能力を高めるためには、なんといってもトレーニングが必要です。
コミュニケーション能力を高めるためのトレーニング方法を紹介します。
ロールプレイング
ロールプレイングは、訪問看護師が患者さんやご家族との会話などを想定して、先輩や同僚と演習を行うことです。
他の人が患者役を演じることで、実際の状況に近い環境でのコミュニケーションスキルのトレーニングが可能です。
また、自分が患者さんの役になって同僚のロールプレイングを見たとき、かなり多くのことに気付くことができます。
グループディスカッション
グループディスカッションは、訪問看護師が同僚と情報交換や意見交換をすることです。
自分の意見を伝えることでコミュニケーション能力が向上し、他の人の意見に耳を傾けることで、共感力や理解力が向上します。
普段あまり仲が良くない同僚であっても、グループディスカッションという名目でお互いの意見を聞くと、その人の意外な一面が見られるかも知れません。
時間がなくてグループディスカッションが開催できない場合、カンファレンスの場が非常に有効です。
自分の考えや体験を他人に語ることでコミュニケーション能力が向上します。
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コーチング
コーチングとは、訪問看護師がコーチから直接指導を受けることです。
一般的には同じ職場の先輩や上司がコーチとなる場合が多いですが、場合によっては外部のコーチを雇って実施することもあります。
コーチングを通じて、自分のコミュニケーションスキルの改善点や強みを客観的に評価してもらえます。
また、コーチからのフィードバックを受けることで、自分自身で改善点を見つけ取り組むことができます。
シミュレーション研修
シミュレーション研修は、コンピューターシミュレーションなどを使い患者さんやご家族とのコミュニケーションシーンを再現する研修です。
リアルな状況でのコミュニケーショントレーニングが可能であり、訪問看護師が自信を持って対応することができます。
最近では『E-ラーニング』といって、パソコンなどで講義を受けたり、実際のケーススタディを学ぶことができるものが増えています。
オンライン学習
オンライン学習は、訪問看護師が自宅などの場所で、自分のペースで学ぶことができる研修方法です。
コミュニケーションスキルを向上させるための様々なテクニックや方法が学べるため、スキルアップに役立ちます。
オンラインでの研修は、これからも一定数の需要があり今後も増えていくと考えられます。
4、コミュニケーション能力が高い訪問看護師に共通する特徴
コミュニケーション能力は、もともと備わっている素質だと思っていませんか?
もちろん、元からコミュニケーション能力が長けている人は、私の周りにもたくさんいますが、学習によって後からでも高める能力です。
コミュニケーション能力が高い訪問看護師には、以下のような共通点があります。
話をじっくり聴くことができる
コミュニケーション能力が高い訪問看護師は、患者さんやご家族の話に耳を傾け、まずは相手のことを理解しようとする姿勢を持っています。
また、自分が話をするのではなく相手に質問をすることのほうが多く、患者さんやご家族の気持ちや状況をより深く理解しようと努めています。
中には、一生懸命説明しようとするあまり、自分からばかり話してしまう看護師もいますが、コミュニケーションにおいて自分の話と相手の話は2:8くらいがちょうど良いバランスと言われています。
他人に共感できる
訪問看護師は、患者さんやご家族の気持ちや状況を共感し、理解することが大切です。
共感することで、患者さんやご家族との信頼関係を構築することができ、これが大きな安心感につながります。
相手の話をさえぎらずに、最後まで聴いたあと「そうですよね~」と言ってあげられるのがコミュニケーション能力の高い看護師です。
適切な言葉づかいができる
コミュニケーション能力が高い訪問看護師は、適切な言葉づかいをすることができます。
「謙譲語」「尊敬語」「丁寧語」など、時と場合に応じた言葉づかいをして相手を不快にさせません。
患者さんやご家族の気持ちに配慮した言葉を選び、わかりやすく説明することができます。
表情やジェスチャーを活用できる
訪問看護師は、表情やジェスチャーを活用することで、患者さんやご家族とのコミュニケーションをより円滑に行うことができます。
笑顔や親切な態度で接することで、患者さんやご家族に対する信頼感を高めることができます。
コミュニケーション能力が高い看護師は、笑顔がとくに多く常にニコニコしている人といえるでしょう。
臨機応変に対応する
コミュニケーション能力が高い訪問看護師は、臨機応変に対応することができます。
ここまで行くにはそれなりの経験を積む必要があり、一朝一夕でできることではありません。
しかし、様々な経験を積むことで対応力がつくようになります。
患者さんやご家族の状況に応じて、柔軟な対応ができるため、患者さんやご家族の不安を取り除くことができます。
訪問看護師は、病棟勤務と違って臨機応変に対応することが求められます。
以上が、コミュニケーション能力が高い訪問看護師に共通する特徴です。
これらの特徴を持った訪問看護師は、患者さんやご家族から信頼され「〇〇さんにまた来てほしい」と指名を受けることもできます。
訪問看護師は、常に自分自身のコミュニケーションスキルを向上させることで、より質の高いサービスを提供することができるようになるでしょう。
訪問看護師がコミュニケーション能力が高いと思った人のケーススタディ
訪問看護師が「この人コミュニケーション能力が高いな」と思った人が実際に使った言葉づかいや態度には、以下のような具体的な例があります。
1、「わたしたちがついているから大丈夫」
患者さんが体調不良によって不安そうにしていたとき、
訪問した看護師が「大丈夫ですよ、私たちがついていますから」と優しく声をかけました。
「大丈夫」って本当に魔法の言葉だと思います。
誰かに言ってもらえると本当に安心しますよね。
この時はまだ、何か特別なケアをしたわけでもありません。
ただ「大丈夫」と言葉を掛けてあげただけですが、患者さんから安心してもらえることもあるのです。
2、「一緒に考えましょうね」
患者さんが治療について疑問を持っていたとき、
担当する訪問看護師が「一緒に考えましょう」という言葉で話に耳を傾け、真剣に向き合いました。
こうした姿勢を示すことで、相手の意見を尊重し、共感を示すことができます。
「一緒ですよ」という言葉には、とても重要な共感力を示す意味があります。
患者さんはひとりで不安に思っていることが多いです。
ひとりではないということを伝えるために「一緒に」という言葉をたくさん言ってあげてください。
3、「痛いですか?」「苦しいですか?」
患者さんが自分の体調不良について話すとき、
「痛いですか?」「苦しいですか?」などと訪問看護師がたくさん質問しました。
状況を正確に把握するための質問でもあるのですが、患者さんはたくさん話すことで冷静になれる場合もあります。
この看護師は患者さんの性格を見極めて、たくさん話をさせてあげようと思ったに違いありません。
これもコミュニケーション能力が高いからこそできる技です。
もちろん、患者さんが苦しんでいる時に無理に話をさせようと思うことは避けてくださいね。
4、「わたしも辛かった経験がありますよ」
患者さんがとある持病の症状で苦しんでいたとき、
「わたしも同じ経験をして大変でした」などと訪問看護師が自分の体験談を語りました。
訪問看護師は自分自身が同じような経験をしていたことを話すことで、患者さんとの共感を深めることができます。
誰にでもつらい経験や大変な思いをしたことはあるはずです。
その気持ちを誰かに分かってほしいと思うのは自然なことです。
患者さんに対しては、訪問看護師であるあなたが誰よりもその気持ちを理解してあげてください。
以上が「この人コミュニケーション能力が高いな」と思った人が実際に使った言葉づかいでした。
こういう人の普段の態度や言葉には、優しさや共感、真剣に向き合う姿勢が込められています。
相手の気持ちに寄り添い、適切な言葉や態度で接することで、患者さんやご家族とのコミュニケーションをより良いものにすることができるでしょう。
問題解決能力を高めるための戦略
訪問看護師がコミュニケーション能力を高めると同じくらい重要なのが「問題解決能力」です。
問題や課題を見つけ、それをどのように解決していくか考えたり実行する能力のことです。
これから、訪問看護師が身に付けてほしい問題解決能力を高めるための戦略について解説していきます。
1、訪問看護師に必要な問題解決能力とは?
訪問看護師に必要な問題解決能力とは、患者さんとそのご家族が抱える健康上の問題やニーズを正しく理解し、適切な処置やケアプランを立案し、実行するための能力です。
一人ひとりの患者さんに合わせたケアを提供するために、疾患や身体状況、生活環境、精神的な側面など様々な情報を収集する必要があります。
そして、その情報をもとに問題を把握し、解決するためのプロセスを組み立てることです。
問題解決能力は、訪問看護師としての仕事だけではなく、普段の生活においても重要となる場面にでくわすこともあります。
そのため、日頃からどんなトラブルに対してでも問題の解決方法を知っておく事で対応力が高まります。
また、患者さんが抱える不安や疑問に対しては、適切なアドバイスや情報を伝え安心感を与えることが求められます。
訪問看護師には、問題解決能力だけでなく、コミュニケーション能力や柔軟性、時には忍耐力も必要です。
患者さんやご家族の状況は日々変化するため、臨機応変に対応すための問題解決能力が必要となるのです。
2、問題解決能力を高めるためのトレーニング方法
以下では、問題解決能力を高めるためのトレーニング方法について説明します。
まず、問題解決力を高めるためには、いろいろな問題に対して対処するための方法を学ぶことが必要です。
これには、本や講習会、研修プログラムなどで学ぶことができます。
特に、臨床現場で起こりうる問題についての研修プログラムは、より実践的な問題解決能力を身につけることもできます。
次に、問題解決力を高めるためには、ケーススタディやロールプレイングなどの演習を行うことが重要です。
これにより、実際に起こりうるシナリオに対して、自分自身がどのような問題解決方法を取るかを学ぶことができます。
チームでこれらの演習を行うことで、他の専門家と協力して問題解決を行うスキルを身につけることもできます。
この時に発生した失敗談や失敗例は非常に役に立つ情報として、他の訪問看護師にも必ず活かされます。
これらの情報を集めておくだけでも問題解決能力がぐっと高まります。
さらに、自分自身の能力やスキルに対して自己評価を行うことも大切です。
自分の強みや弱みを正確に把握し、自己成長につなげましょう。
訪問看護師として、患者さんやご家族のニーズに応えるために、常に自己研鑽を行い、問題解決能力を高めることが大切です。
3、問題解決能力が高い訪問看護師に共通する特徴
問題解決能力が高い訪問看護師には、的確な観察力、綿密な計画力、コミュニケーション能力、協調性などの特徴があることが前述しました.
とある例ですが、ある日、訪問看護師が訪れたご家族の方から、患者さんが最近急に体調を崩したと相談を受けました。
訪問看護師は、患者さんの状況を詳しく確認するために、病院の医師に相談し、患者さんを診察してもらうことにしました。
病院での診察の結果、患者さんが腹膜炎であることが判明し、すぐに手術が必要だと判断されました。
この例の状況において、コミュニケーション能力が高い訪問看護師は、
『適切な質問をする能力』
『医療専門用語を正しく伝える能力』
『協調性の高さ』
など、それぞれの能力が際立って高いことが分かります。
コミュニケーション能力は、ひとくちにいって『経験値の差』といわれることもあります。
もちろん、それはそれで否定できませんが、学習することによって身に付けることもできます。
「自分は人と接するのが向いていない」
「うまく人に伝えられない」
と自信がない訪問看護師も多いですが、心配しないで大丈夫です。
コミュニケーション能力は、正しく学習することでかなりの成果を上げられるはずです。
決して口が上手いとか、話が面白いということだけではないので安心してください。
4、問題解決能力を活用した実践的なケーススタディ
問題解決能力を活用した実践的なケーススタディについて、もうひとつ例をみていきましょう。
とある訪問看護師が、高齢者のケアを担当しました。
この患者さんは、最近だんだんと体調が悪くなり、食欲もなく食べる量が減っていました。
訪問看護師は、この問題を解決するために次の行動をしました。
まず、この患者さんとのコミュニケーションを大切にしようと思い、栄養バランスの良い食事の大切さをじっくりと説明しました。
そのとき、患者さんが抱える不安や疑問をじっくりと聴き、ていねいに受け止めながら説明することで理解してもらおうと努力しました。
次に、この訪問看護師は、高齢の患者さんが好まれる食材や調理法を調べて食事を工夫しました。
たとえば、食べやすいように小分けにしたり、食事のときには患者さんの好きな音楽を流してリラックスしてもらえるような環境をつくりました。
さらに、その日の患者さんの調子に合わせて食事の内容を多少変えました。
例えば、食欲がない日は消化の良いスープなどを提供するようにしたり、時には我慢させずにお菓子やアイスなども提供していました。
上記はほんの例ですが、看護師の資格を持っている人にしてみれば特に難しいことはしていないことに気付きます。
話をじっくり聴いて、その要望を叶えてあげようと行動しただけともいえます。
このように、コミュニケーションを重視し、患者さんの生活状況や健康状態に合わせて柔軟に対応することで、食事に関する問題を解決することができました。
この患者さんは訪問看護師の対応に非常に満足され、生活の質の向上にも繋がりました。
訪問看護師のためのコミュニケーションツールの活用戦略
訪問看護師は、患者さんやご家族とコミュニケーションを取りながら、必要なケアを提供する責任があります。
このような状況では、効果的なコミュニケーションが非常に重要であり、適切なコミュニケーションツールを使用することが必要です。
そこで、訪問看護師が利用すべきコミュニケーションツールについて考えてみましょう。
1、訪問看護師が利用すべきコミュニケーションツールとは?
訪問看護師が利用すべきコミュニケーションツールの1つは『電話』です。
患者さんやご家族とのコミュニケーションにおいては、原始的でアナログな方法である電話ですが、いまだに便利かつ効率的なツールのひとつといえます。
患者さんやご家族との電話で症状や状況について聞き取りをして、必要なアドバイスや指示をすることもできます。
また、患者さんやご家族からの質問や不安に応えることもできます。
訪問看護師が利用したいコミュニケーションツールは『メール』や『テキストメッセージ』です。
これらのツールは、電話よりも簡単に短いメッセージを送信することができるため、患者さんやご家族のコミュニケーションを円滑にすることができます。
特に、予定の変更や情報の共有など、緊急性が低い内容については、メールやテキストメッセージを利用することができます。
メールやテキストメッセージの良いところは、文章として履歴が残るので言った言わないのトラブルになりにくいこともメリットが大きいといえます。
訪問看護師が利用すべきコミュニケーションツールのさいごは『テレビ電話』です。
テレビ電話は電話よりもお互いの顔が見えることで、表情や様子を知ることができ、さらに安心感をあたえることができます。
特に、遠隔地にいる患者さんやご家族とのコミュニケーションには、テレビ電話が非常に有効です。
ただ、テレビ電話を利用するには、設備の設置などが患者さんやご家族の負担になるケースがあるため、最終手段として活用するのがおすすめです。
また、テレビ電話は実際の現場ではあまり使われることはありません。
しかし、これから技術がもっと発展すれば、患者さんやご家族とのテレビ電話が即時につながり、すぐに情報共有ができるという時代も来るかも知れません。
2、コミュニケーションツールの活用による効果的なケアの提供
訪問看護師は有効にコミュニケーションツールを活用することで、患者さんやご家族の声に耳を傾けより適切なケアを提供することができるようになります。
チャットやメールを使って患者さんやご家族からの質問や相談にすばやく対応することで、不安やストレスを解消することができます。
最近は『LINE』や『Skype』、『ZOOM』など様々なコミュニケーションツールが誕生しています。
これらを活用することで、遠隔地にいる患者さんやご家族とも顔を見ながらコミュニケーションを行うことができます。
これにより、患者さんやご家族の表情や声色から症状や感情を読み取り、より適切なケアを提供することができます。
とはいっても、患者さんが訪問看護を利用する一番のメリットは、看護師が家に訪問してケアをしてくれることです。
近年はコミュニケーションツールは飛躍的に進化していますが、直接訪問してコミュニケーションをしてほしいという要望はまだまだ健全です。
おそらくこれからもそのニーズは減らないと思います。
コミュニケーションツールは情報をやり取りするのにはとても便利ですが、使い方によってはかえって患者さんやご家族のストレスの原因になることを覚えておきましょう。
適切なコミュニケーションツールを選択し、患者さんやご家族の声に真摯に向き合いながら、ケアを提供することがなによりも大切です。
3、コミュニケーションツールの効果的な活用方法
テレビ電話やメールなどのコミュニケーションツールは、訪問看護師と患者さんやご家族との間で、コミュニケーションを円滑にしてくれます。
これが将来的にはさらに技術が発達し効果的なケアの提供につながると考えられています。
実際に、これらのコミュニケーションツールを活用した事例についていくつか紹介します。
メールで相談したケース1
とあるご家族からの相談で、母親が急性の脳梗塞で倒れ、退院後は自宅での生活が続いていたようです。
しかし、このご家族は忙しさからなかなか訪問看護師に連絡が取れず、疑問点や不安な点を相談できずにいました。
そこで、メールで訪問看護師に相談したところ、迅速に回答がもらえ母親の状態を適切にケアすることができました。
メールは時間や場所を選ばずにいつでも相談が出来るため、患者さんにとっては非常にメリットの大きいツールといえます。
テレビ電話で相談したケース1
とあるご家族の母親が認知症を発症してから、そのご家族が自宅で介護をするようになったようです。
しかし、これまでに介護の経験がなかったため、どのようにして行ったら良いのか疑問がつきまとうようになりました。
そこで、訪問看護師にテレビ電話で相談したところ、具体的なアドバイスを教えてもらうことができ、家族も安心して母親のケアに取り組めるようになりました。
コミュニケーションツールは、患者さんやご家族がプロに相談できる間口を
広げるきっかけをつくることができるので、これも非常にメリットがある方法といえます。
テレビ電話で相談したケース2
とあるご家族の父親が寝たきりになり、訪問看護師による訪問看護が必要になりました。
しかし、父親は訪問看護師とのコミュニケーションが苦手なため、なかなか言葉を発することができませんでした。
そこで、コミュニケーションをテレビ電話で行ったところ、父親も積極的にコミュニケーションを取るようになり、訪問看護師との信頼関係が構築することができました。
メールが苦手な人、逆に電話が苦手な人など患者さんやご家族には様々なパターンの方がいらっしゃいます。
そのため、メールよりも電話、電話よりもテレビ電話など、必ずしも顔が見えたりするのが正解ということはありません。
ご家族によってはメールで簡単に済ませたいという方もいますし、中には言えまで訪問してきちんと説明を受けたいという人もいます。
その方へ向けていろいろな種類のコミュニケーションツールを提供してあげることが、より良いケアの提供につながるはずです。
4、コミュニケーションツールを利用するときに解決しなければならない課題
コミュニケーションツールは患者さんやご家族と会話をするときなどに役に立つものです。
その一方で、訪問看護ステーションが解決しなければならないいくつかの課題もあります。
以下に、訪問看護ステーションが解決しなければならない課題と具体的な例を挙げながら解説します。
プライバシーや情報セキュリティの確保
訪問看護ステーションが利用するコミュニケーションツールは、患者さんの個人情報を含むことがあります。
そのため、プライバシーや情報セキュリティの確保が必要です。
メールや電話でのやりとりでは、メールの送信先や電話の相手先が間違ってしまうことがあります。
また、メールのパスワードや暗証番号が漏れてしまった場合には、第三者による不正アクセスや情報漏洩のリスクがあります。
これらのツールを使用するときには、外部の専門家などに相談してから使用すると良いでしょう。
患者さんのコミュニケーション能力の差異への対応
訪問看護ステーションが利用するコミュニケーションツールには、患者さんのコミュニケーション能力による差異があります。
高齢者の患者さんやご家族の中には、スマートフォンやパソコンを使ったメールのやりとりが苦手なケースがあります。
また、障害を持つ方や認知症を患っている方なども、コミュニケーション能力に制限があることがあります。
そのため、訪問看護ステーションは、患者さんのコミュニケーション能力に合わせたツールを選定する必要があります。
情報共有の確保
まとめ
訪問看護師がコミュニケーション能力を磨くための戦略には、継続的な学習や訓練、同僚との情報共有、患者さんへのアプローチ方法があると解説しました。
これらの取り組みを通じて、訪問看護師はより質の高い医療を提供し、患者さんとの信頼関係を築くことができるようになるでしょう。
訪問看護が気になる方は関連記事もご覧ください。
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