訪問看護師のまおつんです。
看護師の中にはこういった悩みを持つ方もいると思います。
私が後輩の看護師を見ている中で気付いた事は、意外にもマナーを知らない(というか学ぶ機会が少ない)看護師が多い事に驚きます。
今回は自宅へ訪問する際の一般的なマナーや訪問看護特有のルールについて解説します。
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訪問看護のマナーはケアと同じくらい重要
日本は高齢化社会に突入しており、今後も「自宅で安心して過ごしたい」という需要は拡大していくと予想しています。
訪問看護師はそんな方たちを支えるための重要な社会的役割を持っている職業といえます。
訪問看護の現場において、看護スキル以外で重要になってくるのが、患者さんの家に訪問する時のマナーや身だしなみです。
一般的な言葉づかいや礼儀ももちろんですが「自宅へ訪問する」ことに慎重になり、緊張感を持って取り組まないと患者さんからの信頼感を失う事にもつながります。
しかも、訪問時には患者さんだけではなく、患者さんのご家族が自宅にいらっしゃる場合がほとんどなので、失礼があった場合にはご家族からクレームが入る事もあります。
看護師の仕事は患者さんのケアが第一といわれていますが、訪問看護においてはケアと同じくらいマナーが重要視されていると考えておきましょう。
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とはいっても看護師はただでさえ忙しい職業なので、休日や空き時間にマナーを学ぶという人も少ないのが現状です。
逆にマナーがしっかり身についている看護師は、患者さんから信頼を獲得できる強力な武器となり勤務先での評価も高くなります。
訪問看護で重要な看護師の心得とは?
訪問看護を利用する患者さんの気持ちになって考えると、住み慣れた自宅で安心して看護が受けられるのを期待しているはずです。
完全にプライベートな空間に他人が足を踏み入れるということ自体が患者さんへのストレスにもなります。
そのため、訪問時には看護師が気を使うべきポイントを以下にまとめました。
2、患者さんやご家族は看護師を見ている
3、あくまでも自然体でいられるように
1、マナーの基本は相手を思いやる心を持つこと
マナーについて書かれた書籍を見ると細かくルールや作法が書かれていますが、一番のマナーの心得は「相手のを思いやる気持ち」です。
患者さんに不快な思いをさせないようにと常に心がけてさえいれば、それが自然と表情に表れ、言葉遣いに表れ、態度に表れるようになります。
「正しい日本語を学ばなければいけないのか?」
と疑問が浮かぶかも知れませんが、お堅い言葉づかいを使う必要は全然ありません。
「~です」「~ます」などのように、最低限の丁寧語を使い患者さんに接することが何よりも重要です。
訪問看護師は職場によってスケジュールが細かく管理されるので、次の時間が迫っていると焦って精神的な余裕もなくなり丁寧な仕事が出来なくなります。
そんな時でも患者さんを思いやる気持ちを忘れずにケアをする事が訪問看護では重要です。
もし、それで時間をオーバーしてしまって次の訪問先に遅れてしまったとしても、それは看護師の責任ではなくスケジュールを管理している職場の責任です。
必要であればすぐに次の訪問先へ到着が遅れる旨を管理者に連絡して、改善してもらうようにしましょう。
繰り返しになりますが、マナーの基本は相手を思いやる気持ちという事を忘れないようにしましょう。
2、患者さんやご家族は看護師を見ている
看護師は患者さんをケアするのが仕事です。
患者さんを細かく観察し必要なケアをする事が仕事なので、観察力が必要な職業です。
その一方で患者さんも看護師の事をよく観察している事を忘れてはいけません。
もちろん、患者さんだけではなく、そのご家族も看護師がどんな人なのかをよく観察しています。
自分が学生だった頃を思い出してみてください。
「あの先生は○○だ」や「あの先生のあだ名は□□だ」などと、嫌いな先生に対して学生同士で噂話のネタにしたり、あだ名で呼んでいたことが懐かしいですよね。
先生は生徒を見て指導するのが仕事ですが、その逆に、生徒だって先生の性格や人柄をよく見ています。
訪問看護の場合においては、比較的裕福な方が利用する事も多いので、マナーや常識のない看護師を嫌う傾向にあります。
「看護師はマナーとは関係ない」とは思わずに、積極的に学ぶ姿勢を持ちましょう。
3、あくまでも自然体でいられるように
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訪問看護師は最低限知っておきたいマナー
訪問看護師として最低限知っておいた方が良いマナーについて解説します。
訪問看護師は医療に関しての高い知識と技術を求められるうえ、マナーや接遇などの高いスキルが必要になる高度な職業です。
重要な項目として「訪問前」「訪問時」「退出時」の3つに分けて解説します。
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1、訪問前
看護師として当たり前のことですが、訪問前には必ず身だしなみを整えましょう。
「頭髪の乱れ」「ユニフォームの汚れ」「お化粧のくずれ」など基本的なことはもちろんですが、意外と気にする患者さんが多いのが、「爪の長さ」「匂い」です。
看護師の手は患者さんに触れることが多い重要なパーツなので、爪はきっちり切り揃えておくのがマナーです。
また、過度に匂いの強い香水や柔軟剤を使うのは避けましょう。
看護師は清潔感の代名詞ともいえる職業なので、身だしなみが悪いとサービス自体も悪いという印象を与えてしまいます。
人間は基本的に見た目でその人を判断しています。
「人は見た目じゃない!」という意見もありますが、見た目は第一印象を左右する重要な要素です。
作業着の汚れや髪の乱れは患者さんからよく見られているポイントなので特に気を使うようにしましょう。
さらに、初回の訪問時には患者さんへ事前に連絡をするようにしましょう。
訪問看護ステーションによってルールが決められている場合が多いですが、
「○○時に△△が伺います。」
とひとこと連絡があるだけで、その後の患者さんからの印象はかなり変わるはずです。
2、訪問時
訪問時は患者さんのケアに集中しましょう。
というのも、訪問時にやりがちなマナー違反としては、仕事用のスマホが何度も鳴ってしまう事です。
最近の訪問看護ステーションでは、LINEで同僚や先輩と連絡を取り合っている場合が多いので、患者さんのケア中にもスマホの通知が鳴りっぱなしという事ケースもあります。
そのためスマホは基本的にマナーモードにしておき、出来ればバイブレーションもならない設定にしておきましょう。
自分は全く気にならない事でも、患者さんからしたら気になってしょうがないという場合もあります。
どうしても出なければならない緊急の連絡などがある時は、患者さんに断ってから出るようにします。
その時は一旦外に出てから電話に出るなどして、要件が終わったら患者さんには丁寧にお詫びをしましょう。
また、患者さんの家にあるティッシュやウエットティッシュなどの消耗品を使う時には必ず断ってから使うようにしましょう。
出来れば持参するのがベストですが、どうしてもという場合には使わせてもらう場合もあると思います。
勝手に使うのは非常に失礼にあたるので、ひとこと断ったうえで使うようにします。
トイレ事情においては訪問看護師の悩みともいえます。
ほとんどの訪問看護ステーションでは、衛生的な観点などから訪問先でトイレを借りる事を原則的に禁止しているところもあります。
とはいっても看護師も人間なので、どうしようもない時もあります。
その場合は患者さんやご家族から許可をもらってから借りるようにしましょう。
3、退出時
患者さんのケアが終わり、退出する時には、
「ありがとうございました。次回は◇日の◇時にお伺いします。」
と言い、最後にお礼を言うようにします。
この人に来てもらって良かったと思わせるためには最後の挨拶も重要なポイントになるので、患者さん宅へ出て見えなくなるまで気を抜かないようにしましょう。
このようにして患者さんとご家族との信頼関係を築いていきます。
数回訪問してその患者さんに慣れてしまえばそこまで気を使う必要はなくなりますが、初回訪問時には特に気を使って訪問した方が良いでしょう。
訪問看護師の身だしなみ
訪問看護師が身に付けておきたい最低限の身だしなみについて解説します。
身だしなみについては職場で用意されているチェックリストを使うのが無難ですが、もし用意されていない場合は下のチェックリストを参考にしてください。
上記のチェックリストは、訪問看護師において必要最低限な身だしなみですのでTPOに応じて使い分けるようにしましょう。
T:TIME 時間
P:PLACE 場所
O:OCCASION 機会
の略です。
その時、その場所、その状況に応じた身だしなみが必要という意味です。
1、髪型・顔周りの身だしなみ
髪型については、男性は短く切りそろえておいた方が清潔感があって好印象です。
女性は長くても構いませんが、その場合はサイドを耳に掛けて後ろで括ると清潔感が出ますし、仕事の邪魔にもなりません。
どちらにも言えることですが、フケがたまっていたり、整髪料の使い過ぎでテカテカしすぎるのは避けましょう。
顔周りについては、男性はひげの剃り残しが無いようにし、女性は派手過ぎるメイクは避けましょう。
最近ではマスクをすることも多く目立たない部分もあると思いますが、いざ見えてしまうと患者さんに不快な思いをさせることになります。
2、服装の身だしなみ
基本的には職場で指定されたユニフォームを着るようにしましょう。
職場によっては色だけが指定されている場合もあるので、そのときは白やピンクなど清潔感のある色を選ぶのが無難です。
汚れが目立ちにくい青も最近は人気があります。
汚れやシワがあるものは使用せず、綺麗なものを着用しましょう。
ユニフォームは予備で2~3着用意しておくと良いです。
3、手元の身だしなみ
看護師の手元は清潔感の有無がかなり出やすい箇所です。
爪がキレイに切りそろえられているか、派手なマニキュアを使用していないかなどを意識しましょう。
また、男性であればあまり高価な腕時計はしないようにしましょう。
良い印象はありませんし、仕事で傷を付けてしまっても誰も保証してくれません。
男性の看護師はなぜかG-SHOCKが人気なようです。
4、足元の身だしなみ
足元も患者さんやご家族からよく見られているポイントです。
中には靴がキレいかどうかでその人の人間性を判断している人も多いようです。
訪問看護師は患者さんのお宅にあがってケアをするので、靴下に穴が開いていないように気を付けましょう。
5、全身の身だしなみ
男性・女性どちらにも当てはまりますが、香水は基本的にNGです。
どうしても付けたい場合であっても少量にしておきましょう。
現代では匂いに敏感な人は非常に多く、家に訪問する看護師だからこそ人一倍注意を払いたいものです。
中には柔軟剤の匂いも苦手な患者さんやご家族もいるので、あまり使い過ぎないように意識しましょう。
まとめ
訪問看護師として最低限知っておくべきマナーや身だしなみについて解説しました。
人の家に上がり込み患者さんのケアをする訪問看護師が、いかにマナーを重要視しているか分かっていただけたでしょうか?
私も訪問看護をはじめてからは何度も失敗を経験しましたし、先輩の看護師からも指摘をされることもありました。
一番のマナーは相手の想う気持ちという話を何度もしましたが、まったくその通りだと今でも身をもって実感しています。
看護師になられた方は少なくてもその素質があると思うので、しっかり身につければすぐに実践できることばかりです。
訪問看護に転職を検討している現役の看護師や、これから看護師になろうとしている学生さんのお役に立てればと思います。
訪問看護師のまおつんです。相談者現在、病棟で勤務している看護師です。訪問看護に入職したいのですが、おススメのサイトはどこですか?今回は訪問看護に転職したい人に向けて、おススメの転職サイトを10社について徹底比[…]