訪問看護師のまおつんです。
分かりやすく教えてください。
看護師の就職活動が始まると、先生や友達がソワソワしはじめるので焦ります。
「何から始めていいか分からない!」
という人も多いと思います。
過去のわたしもそのひとりでした。
今回は、そんな看護学生にわたしと同じ思いをしないように就職活動の基礎から実践編までを分かりやすく解説していきます。
このブログでは訪問看護のリアルな仕事について情報を発信しています。もし興味があれば関連記事もご覧ください。
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就職活動の全体スケジュール
看護師の就職活動はだいたい6月くらいから始まります。
4年制大学:3年生の6月ころ
専門学生であれば、ようやく学生生活も慣れた2年生に上がったとたんに、
「そろそろ就職活動の時期です!」
というワードが先生から発せられます。
この言葉を聞くとドキッとする人は多いはずです。
しかし、時間は刻一刻と迫っており、早い学生ならば4月くらいからはじめる人もいます。
ここ数年における就職活動の全体のスケジュールは以下のようになっています。
新型コロナや景気などの影響などによって多少前後はしますが、概ねこのようなスケジュールで就活を進めていくのが一般的です。
ひとつずつ詳しく解説していくので、しっかり理解しておくようにしましょう。
5~6月:自己分析
自己分析は、自分の長所や短所を見つめ直すことで、
『自分はどんな看護師になりたいか』
『学生時代にどんな事を頑張ったか(頑張りたいか)』
『どんな事が得意か』
などを明らかにしていきます。
自分のことは自分が一番良く分かっているようで、実は分かっていない部分もあります。
面接では、自分自身のことを言葉にして表現することになります。
でも、いきなりやれと言われても…
という方も多いと思います。
そんな時におすすめな方法は、友達にあなたのことを聞いてみる事です。
周りがあなたのことをどのように見ているかを率直に聞くことで意外な発見があるものです。
聞いた事はメモしたりして、書き残すようにしておきましょう。
後に面接の準備をするときに役に立ちます。
6~2月:資料請求・情報収集
自己分析と同時並行で進めておきたいのが、病院などへの資料請求や情報収集です。
情報収集の方法はたくさんありますが、最近はネットでほとんどの情報が手に入ります。
就職したい職場の情報収集するにあたり、いくつかポイントがあるので以下を参考にしてください。
・そもそも看護師を募集しているか
・待遇の内容はどうか(給料、休日、福利厚生、勤務地など)
・大切にしている理念は何か
・ホームページにどんな事が書かれているか
・働いている人の顔が見えるか
これらの情報を収集するために一番おすすめの方法が、
就職サイトに登録することです。
無料で登録ができるし、自分の条件に合った職場の情報を簡単に検索できます。
わたし個人的におすすめなのが、「看護roo!(カンゴルー)」というサイトです。
気になる職場を検索して直接調べることが出来ますし、自分の希望する勤務条件などを入力して探す事もできます。
看護roo!は非常におすすめの就職サイトなので、無料登録だけしておけばかなりの情報が収集することができます。
ネットだけでは調べきれない不明な点や、どうしても気になることがあれば直接電話などで問い合わせてみても問題ありません。
知らないことを尋ねることは失礼なことではないので、どんどん聞いて周りに差をつけるようにしましょう。
ただし、ホームページに書いてあることや、少し調べれば分かることを聞くのは避けましょう。
相手も普段の業務で忙しいので、まずは自分で調べてみて、どうしても分からないことだけに絞って聞くのが常識です。
6~9月:合同説明会
就職先の情報取集するためには合同説明会への参加が効率的です。
毎年6~9月ころに全国で開催されており、最近は自宅にいながらオンラインでも参加が可能となっています。
また、住んでいる地域で開催される合同説明会などの情報は学校からも通知されていると思いますので、この時期に最低1回は参加するようにしましょう。
参加するにあたって大事なポイントは、
『担当者からどんな印象を受けるか』
『どんな事に重点をおいて看護をしているか』
『病院やステーションによってどんな違いがあるか』
などです。
参加してみると自分なりの気付きがあります。
気になる就職先が無かったとしても、会場の雰囲気や担当者の話から雰囲気を体験しておきましょう。
7~9月:インターン参加
合同説明会などで情報収集をすすめていくと、気になる職場がいくつか見つかると思います。
インターンへの参加は、時間が許す限り参加したほうが良いと思います。
最低1回は参加するようにして、可能であれば2~3回参加するのが理想です。
看護学生が気になる職場で実習などを通して職場体験をすることで、別名「インターンシップ」ともいいます。
職場によってインターンの期間は違いますが、1日だけで終わるところもあれば1週間くらい職場で実際に働きながら行う場合もあります。
インターンの参加によって得られる情報はかなり多いです。
その職場の雰囲気や、実際に働いている看護師の様子などがリアルに知ることができる貴重な体験です。
看護師は特に忙しいので、学生に付きっきりという訳にも行かない場合が多いですが、一通り職場を案内してもらえたり実習を体験することができます。
インターンの最後には座談会があり、職場の看護師や代表者の方とお話する機会もあると思います。
その時には、
『この職場を選んだきっかけは何ですか?』
『入職前に勉強しておいたほうが良い事はありますか?』
『入職前と入職後のギャップなどは感じましたか』
『どんな時に看護師としてのやりがいを感じますか?』
『入職後はどのように自己学習していますか?』
などの質問をすることができます。
9~10月:実習
この時期は学校の実習やレポートが重なる時期です。(学校によって多少違いますが…)
そのため就職活動と並行して実習やレポート提出に集中する機関にしましょう。
そもそも卒業して国家試験に合格しないと就職もできません。
しっかり卒業するためにも、学校のカリキュラムも淡々とすすめていきましょう。
1~3月:インターン参加(2回目)
「1月は年が明けてお正月気分」と言いたいところですが、看護学生は忙しい時期が続きます。
病院やステーションによってはこの時期にインターンを開催することもあるので、いつでも参加できるように準備はしておきましょう。
7~9月のインターンに参加できなかった場合は、この時期に集中して参加することをおすすめします。
合計で2~3回くらい経験しておくと、職場の雰囲気の違いなどがはっきりしてくると思います。
また、インターン参加によって代表者の方に気に入ってもらえれば、
『うちに来ませんか?』
など、嬉しい返事をもらうこともあります。
1~4月:履歴書・面接の準備
1~4月に向けてやるべきことは、履歴書の準備や面接の練習などです。
自己分析によってある程度は自分のことは見つめ直すことができていると思うので、それを表現するための練習期間です。
履歴書はルール通りに書くだけですが、面接でつまづく看護学生も多いと思います。
なにせ、面接においてはライブで行うので、
『うまく話せなかったらどうしよう』
『間違えたことを言ってしまったらどうしよう』
と不安に思う人も多いはずです。
でも大丈夫です。
そのための練習期間ですし、コツさえ掴めれば面接で高評価を得ることもできます。
この時点で自己分析が出来ていない場合は、もう一度じっくり自分を見つめ直してみましょう。
3~4月:採用試験・面接
最終学年になったばかりのこの時期には採用試験や面接が行われます。
つまり、早ければ学生生活の最後の1年間を過ごす年には内定が決めっている場合もあるということです。
採用試験の内容としては、
・小論文
・適性試験
・一般常識(一般教養)問題
・面接試験
などがほとんどで、志望する病院やクリニックによって違います。
小論文は、その場で出された「お題」に沿って800~1,200文字程度の作文を書く試験です。
この試験は正しい日本語を使って自分の意見や考えを表現できているかなどが問われます。
小論文で問われるテーマは以下のような内容である場合が多いです。
・自身の考える看護論とは?
・学生時代に得た経験や力を入れた分野は?
・これからの看護(医療)業界についてどう考えるか?
作文用紙2~3枚程度になるので、言いたいことの要点をおさえて書く能力が試されます。
小論文の書き方については本などでも勉強することができますが、上手く文章を書くコツは、
『○○という現状があるので、◇◇をする必要があると考えている。』
『わたしは□□を通して、△△と感じたので、▲▲を実行していきたい。』
など、”現状⇒わたしはこう考える”というパターンと、”わたしはこう感じた⇒こうしていきたい”というパターンを使って文章を組み立てます。
重要なのは、自分なりの考察や所感を必ず書くことです。
現状だけを書いてしまうと、「あなたはどうしたいの?」となりますし、
結局何が言いたいのかが分からなくなります。
面接については、別の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
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就活中に起こること
就職活動をしているときに起こること3選を紹介します。
・友達の付き合いが悪くなる
・周りがソワソワする
・内定者は遊びまくる
友達の付き合いが悪くなる
就活中はかなり忙しくなるので、友達の付き合いが急に悪くなります。
最初に解説したように、情報収集や面接の準備などやることはたくさんあるので、心にも余裕が無くなるんです。
しかし、実習やレポートが落ち着いた時には多少の余裕が出来ることもたまにあります。
そんな時には気晴らしに友達と遊びに行きたいと思うかもしれませんが、遊びのお誘いは慎重にした方が良いです。
当然、友達も就活中ですが、進み具合は人によってかなり差があります。
自分には余裕があるけど、友達が同じ状況とは限りません。
そんな時に「遊びに行こう!」と誘ってしまうと、今後の関係が悪くなる可能性があります。
少なくてもお互いがひとつくらい内定が出てから、誘うようにしましょう。
時にはストレスの発散と息抜きは必要です。
周りがソワソワする
病院やステーションが採用試験を行い内定を出し始める始める4~6月は、周りがソワソワします。
すでに内定をもらった人とそうでない人が同じ学校生活を送るので、まだもらっていない人は相当に焦る時期です。
正直なところ、心に余裕がない時は「なんであの人が内定もらえて私はもらえないの!?」と思うこともしばしば。
表面上はニコニコ笑っていても、心の中ではみんな相当にピリピリしています。
そんな時は「自分は自分、他人は他人」と言い聞かせましょう。
内定が取れないのはあなたの能力が低いからではありません。
その職場との価値観がたまたま合わなかっただけですし、あなたの人間性が否定されているわけではありません。
全く気にしないで大丈夫ですよ。
そもそも採用試験だけでその人の全てが分かるはずはありません。
気になる職場はどんどん志望して、次のステップに進みましょう。
長い目で見れば、自分のことを良く評価してくれて価値観が合う職場で働いたほうが絶対に良いです。
採用する側も「人を雇う」ということは、相当なリスクにもなる場合もあるので、慎重にならざるを得ないのです。
内定者は遊びまくる
内定をもらったばかりの人はとにかく遊びまくります。
しかし、少し経つと国家資格に向けて勉強しなければいけない現実を突きつけられて絶望します。
飲みに行ったり、旅行に行ったりします。
中には、まだ希望の職場から内定をもらっていないので就活を継続する人もいます。
まだ内定をもらっていない人からしたら、一つでももらえているだけで羨ましい限りです。
看護学生は入学から卒業までずっと忙しいので、唯一遊べる期間といえば、入学したての4月ころか内定をもらった後のわずかな期間くらいです。
遊べるうちにたくさん遊んでおきましょう!
まとめ
今回は就職活動の一から十までを解説しました。
看護学生は実習やレポートに加えて就職活動も始まると本当に忙しくなります。
さらに就職活動が終われば国家試験に向けての勉強も始まるので、本当に余裕がない学生生活を送ることになります。
それでもあなたを待ってくれている患者さんのために、今できることを精一杯やっていればきっといい就職先が見つかると思いますよ。
また、訪問看護に関する情報をこのブログで発信しているので、気になる方は関連記事もご覧ください。
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