訪問看護師は病棟勤務よりも給料が高い?手当などの違いは?

訪問看護師のまおつんです。

相談者
訪問看護師って病棟勤務の看護師よりも給料が高いんですか?

訪問看護は患者さんが自宅で医療を受けられるため精神的な負担も少ないことから、年々需要が拡大しており求人数もここ数年でかなり増えている印象があります。

そんな時代の流れもあり、現役の看護師としては「今は病院で勤務しているけど、訪問看護師に転職しようか迷っている。」という人も多いと思います。

 

私は病院勤務と訪問看護の両方を経験しており、その中で知った病棟勤務と訪問看護の違いを解説したり、客観的な給料データについても紹介していきます。

 

病院勤務から訪問看護に転職をしようと考えている方はぜひ参考にしてください。

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訪問看護師の給料は高い?

結論からいうと、訪問看護は病棟勤務よりも給料が比較的高くなることが多いです。

私の場合ですが、病棟勤務の頃と比較して今の訪問看護師のお給料は、時給換算でだいたい100~200円くらい高くなりました。

 

病棟勤務の時は『月給』でお給料をもらい、現在の訪問看護は『時給』で計算されるので、全く同じ条件で比較はしていませんが1時間あたりの給料で考えると訪問看護の方が確実に給料は増えています。

 

もう少し具体的な根拠が欲しいので、「ナースなワタシのお給料」というサイトを使い、同じ条件で比較してみると、病棟勤務よりも訪問看護の時給が高い事が分かります。

病棟勤務の場合👇

 

訪問看護の場合👇

 

サイトの選択画面で、検索条件を「パート」「経験年数指定なし」「勤務地指定なし」「正看護師」に固定して、業務内容だけを「病棟」と「訪問看護」と変更します。

比較した場合、病棟勤務は平均時給が1,602円なのに対して、訪問看護は1,855円という違いがあるのが分かります。(2022年10月現在で比較)

 

このサイトは、現役の看護師から集めたデータの平均を自動で計算してくれるようになっているためかなり精度は高いと思います。

結果として訪問看護の方が平均200円以上も時給が高い事が分かりますね。

 

「ナースなワタシのお給料」は、利用者数No.1の看護師転職サービスの「看護Roo!」から提供されているサイトです。

看護Roo!について興味がある人は、下記のリンクから覗いてみてください。

看護師の転職なら看護roo!

看護師の給料はボーナスや夜勤の有無によっても変わるので一概には言えませんが、単純な時給換算だと訪問看護の方が少し時給が高い事が分かります。

 

ちなみに、私が勤務する地域はわりと裕福な家庭が多いので、パートであるにもかかわらず平均以上の時給はもらっています。
税金を天引きされた手取りの時給で考えると、だいたい1,600~1,700円/時間くらいは貰っている計算になります。

 

看護師は会社員よりも給料が高いといわれている職種なので、1日8時間、月に20~22日働けば、月給が30万円を超える事も珍しくありません。
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訪問看護師がもらえる手当て

訪問看護師は病院勤務にはない手当てがもらえます。

【訪問看護師がもらえる手当て】
1、電話番(オンコール)手当て

2、訪問看護手当て
3、車両手当て
4、管理者手当て

職場によってもらえる手当てが違うので、事前によく確認してから職場を決めると良いでしょう。

 

電話番(オンコール)手当て

訪問看護の代表的な手当ては「電話番(オンコール)手当て」です。
訪問看護ステーションでは、夜間の緊急電話に対応するために、事務所のスマホを交代制で自宅に持ち帰る当番制度があります。
電話番の日は別途手当てが支給されて、平日と休日で多少差はありますが、1日あたり1,000~3,000円が一般的です。
また、緊急電話によって患者さんの対応が必要になった場合は、その業務に費やした時給が別に支払われます。
訪問看護ステーションは基本的に夜勤がないので、夜勤の代わりとして考えると良いでしょう。
個人的な意見ですが、オンコール手当ては夜勤と比較しても精神的な負担が大きいわりにもらえる金額は少ないのでここはデメリットと考えています。
実際にオンコールの電話は月に数回鳴るか鳴らないかの頻度のため多くはありませんが、いつ鳴るか分からない電話を持っているだけで精神的に休まらないこともあります。

 

訪問看護手当て

「訪問看護手当て」は、クリニックが併設されている訪問看護ステーションにおいて、訪問看護をメインに働く看護師に支給しているケースが多いようです。
訪問看護専属の看護師に対して、ひと月あたり5,000~10,000円など固定の金額を支給している場合や、1件あたり数千円などと金額が決まっている場合があります。
こういった給料の仕組みは「インセンティブ給与体系」と呼ばれ、訪問看護師の基本給は少し低めに設定され、訪問回数に応じて給料が増減する仕組みになっています。
労働条件や給与体系は訪問看護ステーションによって様々なパターンがあり、完全な歩合制を採用しているケースもあります。
完全歩合制の場合は、訪問看護ステーションと看護師が『直接雇用契約』するのではなく、個人事業主として『業務委託契約』を結ぶことになります。
この場合は、通勤のために事務所に行かずに家から直行直帰できるケースもありますが、社会保険や雇用保険などの加入はできないので、自分に合った働き方を選択しましょう。

 

車両手当て

患者さん宅の訪問のために自家用車を使用する場合に支給されるのが「車両手当て」です。

1kmあたり10~15円などと決められている場合と、ひと月2~4万円を一括で支給している場合とがあります。

自分の車を仕事で使う場合は、ガソリン代以外にも自動車保険料やメンテナンス費用もかかるので、これを考慮して手当ての金額を多少調整してくれるところもあります。

 

また、首都圏の訪問看護ステーションに多いのが、訪問先の駐車スペースが無くて有料駐車場に車を停めるケースです。

この場合の駐車料金は領収書などで実費精算をするか、車両手当てに含めて一括で支給している場合もあります。

 

職場に車がある場合は、当然その車を使って訪問するので車両手当てはもらえません。

また、訪問看護ステーションによっては自転車で訪問しているケースも多く、この場合も手当てが支給されない事がほとんどのようです。

わたしはまだ経験がありませんが、自転車の訪問看護はかなりツラいようです。

 

管理者手当て

「管理者手当て」は訪問看護ステーションの管理者に支払われる手当てのことで、ひと月に約3~10万円の手当てが支給されます。
もちろん職場によっては管理者手当てを支給しない場合もあります。
管理者になるためには、専従かつ常勤である事などの一定の条件がありますが、訪問看護ステーションによっては管理者を募集する求人も多くあります。
私のような子育て中のパート勤務だと管理者になれる条件から外れてしまいますが、管理者の多くは30~40歳以上のベテラン看護師がほとんどです。
ごくまれに、管理者を毎年交代で担当する訪問看護ステーションが存在するようです。
こういった訪問看護ステーションは基本的に人手不足でやむを得ない事情があるのかもしれません。
管理者になると実務として訪問をする事がほぼなくなるので、体力的には多少楽にはなります。
しかし、患者さんの管理や看護師のスケジュール調整など幅広い業務を行うので、精神的な大変さはかなり増えると思います。

 

以上、訪問看護特有の手当てをいくつか紹介しました。
その他、「資格手当て」「通勤手当て」「残業手当て」などの手当てに関しては、病院の勤務の時とほとんど変わりません。

 

訪問看護のお給料はなぜ高い?

訪問看護師の給料が高い理由は、患者さんが高い利用料を払っているためです。

訪問看護の一番のメリットは、住み慣れた自宅でケアを受けられることですが、その分だけ高い利用料を払っています。

もちろん、介護保険の範囲内で利用する方も多いですが、裕福なご家庭はたくさんお金を出してでも質の高い医療を受けたいという要望もあります。

つまり、それなりにお金に余裕がある人が訪問看護を利用しているので、看護師の給料も高いということになります。

 

それ以外の理由としては、高齢化社会によって訪問看護の需要が増えている事があります。

特に高齢で体が不自由な方は、

「公共交通機関の利用が大変」

「そもそも病院までの移動手段がない」

などの理由で訪問看護を利用する方が多いです。

 

需要の増加に対して看護師が不足していることも給料が高くなっている理由といえます。

一般社団法人全国訪問看護事業協会の調査レポートから引用

「一般社団法人全国訪問看護事業協会」の調査によると、訪問看護ステーションの数は年々増え続けており、2021年には全国で13,000も存在しています。

この流れは今後とも続くと予測されますので、これに伴い訪問看護の求人もさらに増えると期待できます。

 

訪問看護の仕事は病棟勤務よりも大変な事も多いです。

多くの患者さんをチームでケアするる病院とは違い、訪問看護は患者さんと看護師が1対1でケアを行うので、患者さんの状態や好みに応じたサービスを提供できるかどうかのスキルが求められます。

患者さんにしてみれば、高いお金を支払って訪問看護を選んでいるので当然それなりのサービスを期待しているはずです。

 

お金持ちが多い地域の患者さんは悪質なクレームを言ってくる人は少ないですが、看護師の対応が悪いと契約を切られることもあります。

訪問看護はそれだけ看護師への期待値が高く、結果として給料が高いという事もうなずけます。

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まとめ

今回は、病棟勤務と訪問看護の給料や手当ての違いについて解説しました。

結果からも分かるように、訪問看護のほうが少しだけ給料が高いことが分かります。

ただし、訪問看護には夜勤がないため一概に高いとはいえない場合もあるので、訪問看護への入職はよく検討してから転職をしましょう。

 

病院よりも高い給料が期待できる訪問看護ですが、給料だけで比べて訪問看護の世界に飛び込むのはアリだと思います。

私の場合は働きながら子育てをしているので、夜勤がなく時間に融通の利くという理由で訪問看護のパートをしていますが、給料が高いのも訪問看護の魅力です。


看護師の転職なら看護roo!

もちろん地域によって給料や職場環境は違うので、検討は慎重にして欲しいところですが、労働の対価としてもらえる給料にこだわって転職を考えるのも私は良いと思います。

 

自分に合った働き方を見つけることで、皆さんの人生がより輝く事を願っています。

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