訪問看護師のまおつんです。
訪問看護師を目指していますが、看護師の資格以外で取得しておいた方がいい資格って何がありますか?
今回は訪問看護師を目指すならば一緒に取得しておきたい資格について解説します。
訪問看護師に必須な資格として看護師は当然ですが、自分のキャリアアップを目指したり転職する上で有利になる資格を紹介します。
もちろん現役の訪問看護師の方でも持っているだけで職場から重宝される人材になる事が出来る資格ばかりです。
このブログでは訪問看護のリアルな仕事について情報を発信しています。もし興味があれば関連記事もご覧ください。
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訪問看護師が取得したい資格
訪問看護師を目指している人や、現役で訪問看護師をしている人に取得して欲しい資格は以下の通りです。
1、認定看護師
2、専門看護師
3、3学会合同呼吸療法認定士
4、住環境福祉コーディネーター
5、認知症ケア専門士
6、認知症介助士
7、シニアピアカウンセラー
8、レクリエーション介護士
9、リンパ浮腫セラピスト
今回は9個の資格をひとつずつ紹介していきます。
興味がある資格は公式ページのリンクを貼っておくので、見に行ってみましょう。
1、認定看護師
認定看護師
認定看護師の資格を取得できれば、看護のスペシャリストとしてより高レベルの看護を現場で実践する事が出来たり、後輩の指導なども行う事が出来るようになる看護のエリートといわれる資格です。
看護師のワンランク上の資格となりますので、訪問看護ステーションによっては手当てが付いたり、給料が上がる事などが期待できます。
もちろん就職や転職にも非常に有利となります。
一方で認定看護師を取得するためには、全国に約100か所ある認定看護教育機関で6カ月間(615時間以上)のカリキュラムを終了し、さらに認定試験を合格しなければならないためハードルが高いのが難点です。
しかも認定看護師は5年ごとに資格の更新があり、「看護実践時間が2,000時間以上に達していること」や「学会及び研究会等への参加や発表、または雑誌発表等の研修実績及び研究業績等が規定の内容で50点以上に達していること。」などの実績が認められないと更新が出来ない制度となっています。
それでも長く看護師をするつもりであれば一度は検討してみる価値はあります。
2、専門看護師
専門看護師
専門看護師は「CNS(Csetificated Nurse Specialist)」と呼ばれる事もあり、日本看護協会から認められた看護師の中でもエリート中のエリートの資格です。
現場ではその高い知識とスキルをもって実務が可能になるほか、看護師のコンサルタントや看護研究などの分野でも働くことが可能となる資格となります。
看護師の資格はもちろんのこと、実務経験が5年以上(うち3年間以上が専門看護分野)あり、看護系大学院修士課程を修了し、さらに日本看護協系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位 (総計26単位または38単位)を取得していることが条件なのでハードルが非常に高い資格です。
さらに5年ごとの資格の更新にも審査があり、維持するためだけでも大変な資格です。
当然、職場ではそれに見合った待遇やポジションを獲得できる可能性がぐんと高くなります。
3、3学会合同呼吸療法認定士
3学会合同呼吸療法認定士
3学会合同呼吸療法認定士は、「一般社団法人 日本胸部外科学会」「一般社団法人 日本呼吸器学会」「公益社団法人 日本麻酔科学会」の3つの組織が合同で創設・管理している民間資格です。
吸入療法、酸素療法、呼吸理学療法及び人工呼吸などの呼吸療法は、今や日常の重要な治療手段のひとつとして広く普及が望まれているため、今後ますます受講者が増加すると見込まれています。
2日間の講習会に参加したあち、東京の会場で検定試験を受験して合格すると与えられます。
5年ごとの更新制度があり、学会や講習会の出席、論文の発表などの要件が課されています。
この資格を持っている事で職場の給料や待遇が改善する事はまだあまりないようですが、就職や転職の際には大いにアピールできる資格といえます。
4、住環境福祉コーディネーター
住環境福祉コーディネーター
住環境福祉コーディネーターは訪問看護と非常に相性の良い資格です。
訪問看護師が福祉住環境の知識を持つことで、新たな視点から依頼者さんやご家族の住環境の相談に乗る事ができるので、利用者さんへの付加価値を与える事ができます。
訪問看護ステーションからもかなり重宝されるため、給料や手当て改善の交渉をする時には持っておくと有利です。
3級でも実務に必要な知識は習得出来ますが、できれば2級取得を目指して頑張ってもらいたいところです。
訪問看護はこれからも需要が拡大していくと予想されているので、他の看護師と差別化をするためにぜひチャレンジしたい資格です。
5、認知症ケア専門士(完)
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、介護・医療・福祉業界においてはかなり知名度が高い資格です。
そのため資格を持っている事で就職や転職でも有利になることや、訪問看護ステーションによっては資格手当が付く場合もあります。
認知症の患者は今後も確実に増える事が予想され、2050年頃には約800万人になるといわれていますし、訪問看護との業務の関連も非常に深い分野を学習できるので、チャレンジするだけでも自分のスキルアップになります。
これからの社会の変化の中で認知症ケア専門士の資格が役に立つのは明白といえます。
6、認知症介助士
認知症介助士
認知症介助士は、高齢者や障害のある方を社会で支えるために創設された資格ですが、看護師にも非常に関連の深い資格です。
この資格は受験資格が特に設定されていないため誰でも比較的手軽に取得できる資格としても人気が高く、就職や転職でも有利に働く可能性も期待できます。
検定試験は45分間に30問の問題を選択で答えるだけの試験となっており、セミナーを受講してから検定試験を受講する方法と、独学で学習して検定試験だけを受ける方法があります。
セミナーを受講する場合は別途料金が発生しますが、独学で勉強ができる方はテキストだけを購入して一発試験に挑んでも良いかも知れません。
7、シニアピアカウンセラー
シニアピアカウンセラー
シニアピアカウンセラーは、高齢化社会に必要とされる優れたコミュニケーション能力を証明する資格です。
指定された講座を受講して検定試験に合格すると取得する事が出来るので、忙しい方でも手軽に学習ができる資格です。
この資格によって資格手当など給料がアップしてもらえる職場は少ないですが、実務で役に立つコミュニケーション能力を学習することができるので、スキルアップや自己啓発という側面でも非常に役に立つ資格です。
8、レクリエーション介護士
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士は、高齢者の「生活の質」の向上を促し、健康維持・促進をサポートする方法を学習できる資格です。
2020年4月現在では1級と2級の資格が用意されており、講座を受講して最終課題に合格すれば取得することができます。
レクリエーションを通じて高齢者との対話術や、自分の得意なことを活かしたレクリエーションの企画などの能力を学習するこが出来るため、訪問看護の現場でも使えるスキルばかりです。
9、リンパ浮腫セラピスト
リンパ浮腫セラピスト
現在、日本にはリンパ浮腫の患者さんが10万人程度いると言われていおりますが、治りにくい病気であるため患者さんにとって苦痛です。
この患者さんを救うために生まれたのがこの資格で、医師、看護師、理学療法士、作業療法士の資格を持っている方のみ受験資格があります。
指定された医療機関などで20日間の講習会を受け、最終日の試験をクリアすると資格が与えられます。
講習などの費用は20~30万円程度と高額ではありますが、就職や転職で大きなアドバンテージとなるほか、訪問看護の実務でも使える講座となっているので見合う価値はあると思います。
資格を取得する時の注意点
訪問看護師が一緒に取得しておきたい資格について解説してきましたが、資格取得のための勉強を始める時にはいくつか注意して欲しいポイントがあります。
【資格取得で注意して欲しいポイント】
・勉強は自分が出来る範囲でやる
・資格オタクにならないように目的を持って取り組む
・費用対効果を考えてみる
資格サイトを見ているとあれこれと楽しくなってしまい、いつのまにか陥ってしまう人が多い点があるりますので、一つずつ解説していきます。
勉強は自分が出来る範囲でやる
資格を取得するためにはある程度の勉強量が必要になります。
そして普段忙しい看護師はなかなか資格の勉強をする時間も取れないのも現実です。
そのため、いきなり難しい資格に挑戦するのではなく「これなら自分にも出来そうだな」と思う資格からチャレンジする事をおすすめします。
いきなり難しい資格に挑戦するのも良いですが、思ったように勉強がはかどらずに挫折なんてことも良く聞きます。
簡単な資格からやってみて小さな成功体験を積んでいく事が長く学習できる秘訣です。
資格オタクにならないように目的を持って取り組む
資格を取る事で今よりもワンランク上の仕事ができたり、職場の待遇が改善される事もありますが、資格を取る事が目的になってしまわないように注意しましょう。
資格を取るだけ取って満足という「資格オタク」になってしまう人は実はかなり多いようです。
その資格を取って仕事にどのように活かすのか、どんな仕事がしたいのかをじっくり考えてからチャレンジするようにしましょう。
訪問看護師はオンコールなどもあり忙しいので、本当に自分にとって必要な資格を学習して仕事に活かす事で効率良くステップアップする事が出来ます。
費用対効果を考えてみる
資格を取得するためには、講座を受講したり試験を受けるためのお金がけっこう掛かります。
職場のサポートがあって費用の一部を負担してくれるところもありますが、そうでない場合は自分で負担する場合もあります。
例えばある資格を取得するためのテキスト代や受講料が3万円掛かった場合、これを回収するためには5,000円の資格手当てを6カ月間もらうとちょうどトントンになります。
その後はその資格を活かして働ければずっと手当てをもらい続けられるなどの回収できる計画がざっと立てられます。
もちろん職場によっては手当てが付かない資格もあるので、全ての資格を費用対効果で考えるのはナンセンスですが、かけた費用は仕事で回収するように考えるクセを付けておくと自分に必要のない資格を無駄に取ってしまう事が少なくなります。
資格はあくまでも仕事の付加価値を高めるものなので、資格を取得して満足しないようにしましょう。
まとめ
今回は、訪問看護師を目指す人やすでに現役で働かれている看護師が一緒に取っておきたい資格について解説しました。
看護師の仕事をしながら勉強するのは非常に大変ですが、新しい知識を得る事で自分の視野も広がり、仕事の可能性を高めてくれます。
資格取得によって必ずしも待遇が改善することはお約束できませんが、資格の勉強をしているだけで「あの人は頑張っている」と職場に認めてもらえます。
これは、就職や転職においても同じ事が言えると思います。
必ずしもその資格を持っている必要はなく「いま○○の勉強しています」と伝えるだけでかなりポイントは高く評価してもらえるはずです。
何よりチャレンジしている事や努力していることそのものが、その人の人間性を表すことになります。
「私には無理だ」と諦めるのではなく、一歩前に進むために自分のできる事から始めてみましょう。
チャレンジしているあなたの姿がなによりも素敵です。