訪問看護師のまおつんです。
爪切りは訪問看護の仕事の中でも非常に頻度の高いケアのひとつです。
正しく行わないと患者さんの皮膚を傷つけたり出血させたりするリスクもあります。
今回は正しい爪切りのコツを覚えて、さらに爪切りによって患者さんとの信頼関係を築く方法についてもマスターしましょう。
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爪切りの時に必ず押さえてほしいポイント
訪問看護では患者さんお爪を切る機会が本当に多いです。
人間の爪は1日に0.1mmくらい伸びるといわれているので、人によっては1週間に1回くらいは切る人もいると思います。
訪問看護においては
「たかが爪切り、されど爪切り」
ともいえる非常に重要なお仕事です。
患者さんの爪を切る時に必ずおさえておいて欲しいポイントは以下の通りです。
・切る前に爪の状態を確認する
・入浴後がベストタイミング
・適切な爪切りを使う
・「爪やすり」はそれなりの品質の物を使う
これらのポイントについて詳しく解説していきます。
切る前に爪の状態を確認する
爪切りを行う前に爪の状態を確認しましょう。
具体的には以下の状態になっていないかを確認します。
・割れ
・はがれ
・肥厚(ひこう)
・巻き爪
・周辺の炎症
これらの症状がみられると、爪切りによって爪にダメージを与えたりする可能性があるので、控えるようにしましょう。
状態がひどい場合は皮膚科を受診するように伝えましょう。
掛かりつけのお医者さんがいる場合は、看護師が伝えてあげると患者さんやご家族の負担を少なくすることができます。
入浴後がベストタイミング
爪を切る時には爪切りの刃で皮膚を傷つけないようにしましょう。
入浴後であれば爪が柔らかくなっているので、皮膚を傷つけるリスクを抑えることができます。
爪と皮膚の境目が分かりにくい患者さんもいらっしゃるので、十分注意して行う事が重要です。
適切な爪切りを使う
使用する爪切りについては、用途に応じて適切に使い分けるようにしましょう。
爪切には主に「てこ型(クリッパー型)」と「ニッパー型」があります。
私がおすすめする爪切りは、
『貝印 type001 Mサイズ』
『ホスピタルサービス リストン型爪切鉗子(つめきりかんし)直 HP1200』
です。
どちらも訪問看護師が使う爪切りとして人気が高い製品です。
⇩おすすめのてこ型(クリッパー型)爪切り⇩
⇩おすすめのニッパー型爪切り⇩
爪やすりはそれなりの品質の物を使う
先ほど説明したように、爪切りは100均でも十分ですが、爪やすりに関しては品質の高い物を使うようにしましょう。
爪切り本体の裏に付帯しているやすりを使っても問題ありませんが、
「爪を擦る時の振動がイヤ!」
という人は実は結構いらっしゃいます。
そんな方のためにぜひ使いたいのが、
『グリーンベル 匠の技 G1037』
という爪やすりです。
最終的な仕上げもやすりを使用して行うので、きれいに仕上げたい時などは、
上質なやすりを使ってあげると患者さんに喜ばれますよ。
爪切りの具体的なコツ
爪切りを行う時の具体的なコツについて解説していきます。
特に理解しておいて欲しいポイントは以下の通りです。
・深爪に注意する
・保湿ケアを忘れずに
・爪切り時の姿勢をつくる
・爪切りは明るい場所で行う
深爪に注意する
爪床は毛細血管が多く、外傷や感染に敏感な部分です。
そのため深爪には十分注意して爪を切るようにしましょう。
爪を切る順番については、
① 白い部分を1~2mm残して真っすぐ切る
② 角をやすりなどで削る、または爪切りで優しく切る
③ 形を整えて完成
この方法で行えば、深爪にしてしまうミスを防ぐ事が出来ます。
患者さんによっては、
「もっと短く切って欲しい」
という要望を言う方もいらっしゃいます。
ただし、深爪にする事によるリスクは十分に説明してあげてください。
また、イメージを掴んでもらうためには、自分の手を見せて「このくらいでどうですか?」と聞いてみると良いでしょう。
保湿ケアを忘れずに
特に冬の間は、爪の乾燥によって爪が割れたり、二枚爪になってしまうリスクがあるので、保湿をするのを忘れずに行いましょう。
手を保湿する時に一緒に爪を保湿するのがベストなタイミングです。
爪を保護するためのクリームなどはネットで探せばたくさん見つかります。
爪が割れやすい場合は、色の薄いマニキュアを使う場合もあります。
爪切り時の姿勢をつくる
寝たきりの患者さんの爪を切る時には、担当する看護師は無理な姿勢になりがちです。
無理な姿勢で爪を切ろうとすると皮膚を損傷させたりする可能性もあるので、できるだけ患者さんの姿勢を調整してから行うのがベストです。
手の爪を切る時には、クッションの上に手を乗せて切りやすい姿勢で切るようにします。
足の爪を切る時には、仰臥位や座位になってもらい、クッションなどで足を高くして切るようにします。
足をのぞき込むような無理な姿勢で行わない事がポイントです。
爪切りは明るい場所で行う
爪を切る時に見落としがちですが、明るい場所で切るようにしましょう。
ベッドに備え付けられた照明器具などを使用して、明かりを確保してケアをした方がミスを防ぐことにつながります。
こんな時はどうしたら良い?
爪を切る時にたまに遭遇する「こんな時はどうしたら良い?」という点について解説します。
・手指・肘関節の拘縮が強い場合
・巻き爪がある場合
手指・肘関節の拘縮が強い場合
脳梗塞などで手指の拘縮がある場合、手をずっと握った状態になり爪切りが困難になります。
このような場合には、爪切り前に手のマッサージを行い拘縮を緩ませてから行いましょう。
手指は手首から指先に向けて1本ずつ伸ばすようにしてマッサージします。
痛みがある場合は無理に指を伸ばさないようにしましょう。
また、爪が伸びたまま拘縮により長時間手を握ると、爪が手のひらに食い込んでしまうので、爪やすりを使用してこまめに長さを整えておくのが適切です。
巻き爪がある場合
巻き爪の一番の対処法は、皮膚科を受診してもらうことです。
訪問看護で行う場合には、状態をよく見た上で無理のない範囲で行うのが前提条件です。
炎症や腫れがなく痛みもない場合は、爪楊枝や柔らかい歯ブラシなどを使って汚れや垢を取り除いてから爪を切ります。
いずれにしても、巻き爪は感染症などのリスクが高まるので、早めに皮膚科への受診をすすめてみましょう。
まとめ
今回は「爪切り」の方法について解説しました。
訪問看護のケアの中ではかなり頻度の多いケアです。
その一方で、爪切りによって皮膚損傷などのミスも起こりえるため、注意するべきポイントも多いです。
今回、解説した内容を理解して実践出来るようにしましょう。
正しく爪切りをすることで、患者さんから信頼してもらえるきっかけづくりに役立ちます。
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